はじめに

キャッシュレス化の拡大とともに、クレジットカードは“支払い手段”から“お得を生むツール”へと進化しています。最近では、年会費を払ってでも持つ価値がある「高付加価値カード」の人気が高まっています。

とはいえ、「無料カードでも十分?」「有料カードで元が取れる?」と悩む声も少なくありません。この記事では、有料カードを選ぶための条件や判断のコツ、無料カードとの違いを具体的なカード事例とともに解説します。


有料カードを選ぶ条件はこの4つ

選択肢がありすぎるクレジットカード選び、お悩みの方は多いのではないでしょうか。判断基準はいくつかありますが、そのひとつは年会費が“無料”か“有料”かです。

年会費無料でも、楽天カードのように1%前後の高還元率のものもあり、「わざわざ年会費を払う意味はあるのか?」と感じる人も少なくないでしょう。

年会費が有料のカードには、ポイント還元率の高さに加え、空港ラウンジの利用、ホテルの無料宿泊、各種付帯保険などの「高付加価値」が付帯されています。

かつては“ステータス”として選ばれていた有料カードも、今は“実益”を目的に選ぶ人が増えています。有料カードは誰にでもおすすめできるものではありませんが、利用目的と条件が合えば“年会費以上の価値”を生むツールになります。

有料カードを検討する際は、次の4つのポイントをチェックしてみてください。

1.付帯サービス(空港ラウンジ・ホテル宿泊等の利用特典・付帯保険など)や継続特典が自分のニーズに合うか
2.付帯サービスや特典が“実際に使える”内容か(使わない特典は実質ゼロ円)
3.年会費以上の還元を実際に得られるか
4.入会キャンペーンがお得か

この条件を満たせば、高付加価値カードを選ぶメリットがあります。

有料カードは旅行の機会が多い人向き

高付加価値カードの特典は、主に旅行関連のものが多いのが特徴です。たとえば、旅行や宿泊の機会が多い人に人気な「Marriott Bonvoy® アメリカン・エキスプレス®・プレミアム・カード」は日常の支払いで100円=3ポイントの高還元率に加え、継続時に75,000ポイント相当の無料宿泊特典が付与されます。交換可能なマイルの選択肢が多いのも特徴です。

ただし、ホテルを利用する機会が少ない場合は特典を活かせず、年会費がムダになる可能性もあります。また、2025年9月から年会費が82,500円に引き上げられたため、還元や特典で十分にカバーできるか改めて確認が必要です。

人気だから、有名だからと選ぶのではなく、特典が自分にとって必要か、実際に使う場面があるかを見極めることが大切です。

入会キャンペーンや継続特典も同様です。たとえば「入会特典〇万ポイント進呈」とあっても、自分の使い方で付与条件を満たせるか、どの特典がもらえるのか、事前に確認しておきましょう。

前述のMarriott Bonvoy®カードでは、継続特典の付与条件が「年間400万円以上の利用」です。そもそもの利用額が満たないようであれば、特典を得られない点には注意が必要です。

無料カードで十分な場合もある

無料カードにも、ポイント還元以外の恩恵を受けられるものがあります。特定の百貨店・ショッピングモール・ECサイトが発行するカードでは、店舗での割引や優待を受けられるものもあり、ポイント還元以上のお得さがあります。日常で使う店舗・サービスに対応していれば、恩恵を受ける機会も多く、有効なツールになります。

また、ポイント還元率だけで見れば、無料カードも有料カードも意外と差はありません。旅行特典などを使う機会が少ない人にとっては、あえて高付加価値カードを選ぶ必要性は高くありません。

日常の買い物やネットショッピングでのお得度、ポイントの使い勝手を重視する方は、無料カードの方が生活にフィットする場合もあります。

年会費以上のメリットを得られるか把握するのが難しいと感じる人や家計管理が苦手な人ほど無料カードの方が合っているケースもあります。

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