老後資金について、2019年にいわゆる「老後2000万円問題」が大きく話題になりました。夫婦世帯が年金だけで暮らした場合、長期的にみると生活費が不足する可能性がある、という内容です。ただ、この話題から時間が経ったことで、「とりあえず2000万円必要」「なんとなく不安」といった形で、数字だけが記憶に残っているケースも少なくありません。
しかし、老後資金は、住まい・働き方・家族構成・健康状態・暮らし方など、それぞれの前提によって必要額が大きく変わります。老後資金は「平均いくらか」ではなく、「わが家はどのくらい備えると、安心して暮らし続けられるか」という視点で考えることが大切です。本記事では、今の暮らしから必要額を考えるための視点を整理します。