はじめに

わが家の老後資金を整理するための3つのポイント

ここからは、必要額を「正確に」出すのではなく、「おおまかに方向性をつかむ」ことを目的にします。まずは次の3つを確認することで、老後資金の輪郭が見えてきます。

1)生活費
今現在、「月にいくらで暮らしているか」が老後の支出のベースになります。家計簿等で細かく管理しなくても、毎月の口座引き落としやクレジットカード、電子マネーの利用明細をざっと見返すだけで、おおよその金額はつかめます。

例:「だいたい月28万円くらいなら暮らせている」など

2)将来受け取る年金額
年金は「人によって大きく違う」ものの、終身でもらえる収入のベースとなります。ねんきんネットや50歳以上は毎年の「ねんきん定期便」で、将来受け取るおおよその年金見込額を試算できます(※年金額は毎年見直しがあり、配偶者の情報が反映されないため、加給年金や振替加算等の試算はされず、確実な金額ではありません)。

例:「夫婦で月20〜22万円ほどの見込み」など

3)老後の住まいにかかる費用
持ち家であれば、築年数に応じて、修繕や設備更新が必要になる可能性があります。賃貸であれば、家賃が老後も続くことになります。

例:「70歳時点で築25年のため、大規模な修繕が発生しやすい時期」など

おおまかな輪郭が見えると、今の暮らしも整いやすくなる

老後資金の必要額が「わが家の場合」でおおまかに整理できると、次のような方向性がつかめます。

・老後の生活費がおよそどのくらいになりそうか
・年金でどの程度まかなえそうか
・不足する分を、いつまでにどれくらい備えると安心か

ここまで整理できれば、「いつまでに、どんな方法で、いくらずつ積み立てるか」といった現実的な計画に落とし込めるようになります。計画が見えると、「使ってよいお金」と「備えるお金」の線引きができるようになるため、「今」を大切にしながら、老後に向けて備えていけるようになります。

老後資金の準備は、将来の不安に備えることでもありますが、これからの暮らしをどう過ごしていきたいかを考えるきっかけにもなります。

平均ではなく、「わが家」を基準に考える。それが、老後のお金の不安をやわらげる第一歩です。まずは「わが家の前提条件を3つだけ」整理するところから、はじめてみてください。

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