はじめに

子どものための投資は「増やすこと」より「選択肢を残すこと」が重要です。新NISAや子ども向けNISA構想が注目される一方、教育費をすべて投資で賄うのは現実的ではありません。資金の役割を分け、家族全体で資産設計と金融教育を考える視点が求められます。新NISA・子ども向けNISA構想を踏まえ、親として考えたい投資の向き合い方を解説しました。


子どものための投資で、まず考えたい前提

2024年から新NISAがスタートし、資産形成を取り巻く環境は大きく変わりました。さらに政府・与党内では、新NISAの仕組みを未成年にも広げる、いわゆる「子ども向けNISA」の新設が議論されています。現在想定されている案では、新NISAの「つみたて投資枠」を18歳未満にも適用する形となり、2027年以降、年間60万円、累計600万円まで非課税での投資信託による長期積立投資が可能になると見込まれています。

こうした流れを受けて、「大学資金を作れるのではないか」「早くから運用すれば有利なのではないか」と、子どもの将来のための投資に関心を持つ親御さんも増えているように感じます。ただ、子どものための投資は、大人の資産形成とは同じ発想では語れません。お金を増やすことだけを目的にしてしまうと、かえって子どもの将来の選択肢を狭めてしまうこともあります。

本記事では、子ども向けNISA構想をきっかけに、子どもの将来のためにどのような投資の考え方が現実的なのか、NISAの位置づけ、適した金融商品、そして親が果たすべき本当の役割について、投資家目線と教育的視点の両面から考えてみたいと思います。

大人の投資と子どもの投資は何が違うのか

大人のための投資と、子どものための投資には決定的な違いがあります。それは目的の自由度です。

大人の場合、投資の目的は多様です。老後資金、住宅、趣味、あるいは資産形成そのものが目的になることもあります。相場環境が悪ければ、引き出しを先延ばしにするという判断も可能です。

一方で、子どもに関わるお金には「動かせない時期」が存在します。入学、進学、留学、資格取得など、人生の節目で資金が必要になるタイミングは、相場の都合を待ってくれません。子どもの教育資金を投資で増やしたいということであれば、この点を理解せずにすべてを投資に委ねるのは危険です。

金融庁が繰り返し強調しているように、投資は元本保証ではありません。長期で見れば株式市場は成長してきましたが、「必要な時に必ず増えている」保証はどこにもありません。

つまり、子どものための投資は、「増やすこと」よりも「失敗できない資金と、挑戦できる資金を分けること」から始まるのです。

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