はじめに
2025年、日経平均株価は1月の3万9000円台から、11月には5万2636円まで大幅に上昇しました。1月から4月にかけては、「トランプ関税」の影響で3万円ギリギリの水準まで下落したものの、そこから「半導体関連株」を中心に急反発。上場来高値の更新を続けました。2026年は、どのようなテーマが注目されるでしょうか。ここでは、2026年注目の2つのテーマを深掘り。後編では、3つのテーマに加えて、株式相場が抱えるリスクなどについて検証します。
2026年注目の20テーマとは
まず、2024年末に執筆した「超有望な5大テーマを探る」を振り返ってみましょう。この記事では、半導体その他15のテーマを取り上げました。中でも、「利上げ関連」「地方創生+インバウンド」「軍事・防衛」「データセンター→電力・エネルギー」「内需関連株」を“有望5テーマ”として着目。このうち、「利上げ関連」と「軍事・防衛」、「電力・エネルギー」の3つは、人気テーマとして大きく値を上げる関連銘柄が続出しました。
ただ、「地方創生+インバウンド」については、年後半の中国との摩擦による中国人訪日客の激減により、9月以降、主力関連銘柄の株価が急落する展開になりました。また、「内需関連株」は、「トランプ関税の悪影響で輸出関連株は買いづらい局面が訪れる可能性があり、投資家の目は消去法的に内需関連株に向かう」と予想し、注目テーマとして取り上げましたが、銀行や建設、不動産といった内需関連は買われた一方、その他の内需関連については買われる銘柄もあれば売られる銘柄もあり、高安まちまちなのが現状です。これらを考慮し、「2025年の有望5テーマ」を100点満点で採点すると、おおむね70~80点といったところではないでしょうか。
では、2026年はどのようなテーマが注目される可能性が高いのか。まずは前回同様、現在考え得る、株式相場で人気化する可能性があるテーマを箇条書きにしてみます。
②インフレ・金利上昇
③軍事・防衛
④造船
⑤地方経済の活性化(主に九州・北海道・広島)
⑥資源(レアアース)
⑦電力・エネルギー
⑧水素・アンモニア
⑨AIインフラ
⑩フィジカルAI
⑪サイバーセキュリティ
⑫ペロブスカイト型太陽電池
⑬フュージョンエネルギー(核融合発電)
⑭農業改革(農業テック)
⑮量子コンピューター
⑯ヘルスケア・バイオ
⑰宇宙・航空
⑱自動運転
⑲防災・国土強靭化
⑳港湾ロジスティクス
これら20のテーマの大半は、高市政権が掲げる「17の戦略分野」に直接的、あるいは間接的に恩恵を受けている、要は「国策関連」。「国策に売りなし」という相場格言があるように、国策を追うのは株式投資で勝つための常道です。
①の半導体や②のインフレ・金利上昇、③の軍事・防衛、④の造船など、すでに2025年から注目テーマとして人気化したテーマも多く見受けられます。今回は、この中から特に注目度の高いと思われる5つのテーマを深掘りしていきたいと思います。