はじめに

これから借りる方向け:今からできる住宅ローン金利上昇リスクに対する備え

これから住宅ローンを組む方にとって、住宅ローン金利上昇リスクへの備えは「借りすぎない」「住宅ローン金利の上昇を織り込む」「資産運用をセットで考える」の3点が重要です。

まず、「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は異なります。返済額は手取り収入の20〜25%が目安とされることもありますが、教育費や生活費が多い家庭ではこの水準でも将来の余裕がなくなるケースがあります。大切なのはそれぞれの家計の実態に即して検討することです。「月1万円の返済増でも家計が回るか」をシミュレーションし、きついと感じるなら借入額をもう一度検討してみましょう。

住宅ローン金利の上昇に対して家計の余裕が小さいと感じるなら、変動金利前提ではなく固定金利で予算を決めるのも有効です。フラット35の全期間固定型なら、現時点でも比較的低金利で借りられ、毎月の返済額が確定する安心感があります。「変動でギリギリ返せる」ではなく、「固定で余裕のある水準」を基準に購入予算を見直すことで、将来のストレスを大幅に軽減できます。

住宅ローン返済と並行して資産運用を計画的に進めることも検討しましょう。NISAなどの制度を活用し、長期分散投資で運用資産を育てることにより、住宅ローン金利上昇による負担増を資産の成長で吸収することができます。住宅ローンの条件だけでなく、「返済+運用」の家計全体を設計することが、強力なリスク対策となります。

返済中の方向け:金利上昇局面における具体的な対策

すでに住宅ローンを返済中の方向けに、住宅ローン金利上昇時の対策としての「繰上返済」と「借り換え」の効果について考えてみます。焦って動くのではなく、シミュレーションで効果を冷静に確認することが何より大切です。

まず繰上返済ですが、必ず得をするわけではありません。特に「期間短縮型」では注意が必要で、住宅ローン控除の適用を受けている方は、繰上返済後も返済開始月から完済予定月までの期間を10年以上に維持する必要があります。10年未満になるとその後の住宅ローン控除の適用外となります。

借入額が大きい方は、年末の住宅ローン残高と住宅ローン控除の適用限度額(住宅の性能などによって異なる)の比較も重要です。繰上返済により住宅ローン残高が控除の適用限度額未満になると、住宅ローン控除の恩恵を最大限受けることはできなくなります。

繰上返済を行う際は、「返済後の住宅ローンの残期間や残高」に気をつけるとともに、「手元資金の確保」や「資産運用の運用益との比較」といった点も加味して総合的に検討するようにしましょう。

次に借り換えです。変動から固定への切り替えや低金利の銀行への移行で毎月の返済額を抑えられますが、手数料・保証料・登記費用(数十万円規模)を加味すると期待した効果が得られないこともあります。月々の返済額ではなく、諸経費を加味した総支払額で損得を検討することが大切です。

損得に絶対的な正解はなく、住宅ローンの返済状況や家庭の資産状況によって答えは様々です。大切なことは、感情で動くのではなく対策の効果を定量的に評価することです。

住宅ローン金利の変動を見込んだ家計デザインが将来の安心を生む

住宅ローン金利の上昇は見過ごせない変化となる可能性がありますが、慌てる必要はありません。焦って不適切な対策を講じてしまうと、かえって損をしてしまう可能性もあります。

住宅ローン金利の上昇に対する対策の第一歩は、月々の支払額や返済総額が住宅ローンの金利変化に伴いどのように変化するかを確認することです。各金融機関のホームページなどで公開されている住宅ローンシミュレーターで簡単に返済額を確認できるので、まずはシミュレーターに数字を入れて感覚を掴んでみてください。

住宅ローン返済額の変化が、生活に与える影響をより解像度高く確認したい場合には、ライフプランを作成することがおすすめです。興味のある方はFPに相談することで、より安心して日々の生活を送ることができるようになります。

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