はじめに
2025年8月に上場来高値の8,685円をつけて以来、好業績にもかかわらず株価はだらだら下げ続け、2026年の1月にはついに4,500円まで凋落。あれほど盛り上がっていた日本のIPビジネスが、期待はずれだったかと投資家からも見放されたかと見えたサンリオ(8136)が、第3四半期決算を発表し、息を吹き返しました! この強さは本物か、株価は回復するのか、決算内容をもとに考えてみたいと思います。
過去最高益を更新。利益率75%超の「稼ぐ仕組み」とは
まずは2月12日に発表された2026年3月期第3四半期の数字を確認します。
売上高1,431億円(前年比+36.7%)、営業利益623億円(前年比+51.8%)で、これはサンリオの長い歴史の中でも過去最高を更新する勢いです。さらに、2026年3月期通期の業績予想も再び上方修正されました。「まだ伸びる」という会社側の強い姿勢が、投資家の買いを呼び込みました。
サンリオの強さは、その収益構造にあります。特にキャラクターを貸し出す「ライセンス事業」は、自分たちで在庫を抱える必要がないため、利益率が非常に高いのが特徴です。国内のライセンス事業の利益率はなんと88%を超えており、効率よく稼ぐ「打ち出の小槌」のような状態になっています。
投資家が抱いていた「3つの不安」とは
今期のサンリオの業績推移を見ると、決して悪いわけではありません。上方修正は今期3度目ですし、増配も行なっています。それでも今回の決算発表前までは、株価は弱含みの展開が続いていました。その理由は、投資家特有の「3つの不安」が考えられます。
1. 「キティ50周年」の特需が終わるのでは?
2024年はハローキティ50周年のイベントが目白押しでした。「お祭りが終われば、売上も落ちるだろう」という懸念です。
2. インバウンドブームの終わり
一時の円安や観光ブームでサンリオショップに並んでいた外国人観光客が、そろそろ一服するのではないかという不安です。
3. 中国・北米などの海外市場の不透明感
世界景気が悪くなると、キャラクターグッズのような「贅沢品」が売れなくなるのでは、と警戒されていました。
しかし、今回の決算発表で、その不安が取り越し苦労だったことが証明されつつあります。
証拠1. 「キティだけ」じゃない! キャラの多角化に成功
今のサンリオはキティちゃんだけではありません。「シナモロール」や「クロミ」といった他のキャラクターも主役級の人気を誇っています。特にクロミのアーティストデビューなど、複数のキャラクターが代わる代わる話題を作ることで、特定のキャラのイベントが終わっても全体の勢いが落ちない仕組みができています。
証拠2. インバウンドが減っても「国内ファン」が強い
決算資料によると、11月以降、確かにインバウンド需要には落ち着きが見られました。しかし、それを補って余りあるほど「日本国内のファン」の消費が伸びています。サンリオショップの既存店売上は前年比20%増と好調。観光客頼みではない、根強いファンベースが確立されていることが分かりました。
証拠3. 欧州でアパレルカテゴリが拡大
複数のキャラクターライセンス展開が進展し、着実にブランドの知名度が向上。営業利益は前年比で2.6倍に飛躍しました。