はじめに

各地域には「老人クラブ」があります。老人クラブは、高齢者による自主的な活動組織で、ゲートボールや俳句、カラオケ、清掃活動など、さまざまな活動を行っています。地域からの助成金や補助金を受けながら、全国各地で活動が続けられています。

厚生労働省の「福祉行政報告例」によると、1995年には加入者数が約880万人とピークを迎え、その後は減少が続き、2023年には約377万人まで減少しています。


なぜ「老人クラブ」は減っているのか

高齢化が進んでいるにもかかわらず、老人クラブの参加者が減少しているのはなぜでしょうか。理由として挙げられているのは、「閉鎖的で人間関係が煩わしい」「担い手となるリーダーが不足している」といった点です。

活動内容についても、良くも悪くも「昔ながら」という印象は否めません。かつては高齢者が少数派だったため、集まること自体に大きな意味がありました。しかし現在、高齢者は社会の多数派です。わざわざ老人クラブに入らなくても、シニアカレッジや趣味の同好会など、多様な選択肢があります。こうした背景から、老人クラブの存在感は徐々に薄れてきたのだと思います。

老後こそ、コミュニティが重要になる

定年後や老後生活において、コミュニケーションが非常に重要であることは、この連載でも繰り返し述べてきました。

孤立した生活では、楽しい老後とは言えません。日常的なコミュニケーションは、認知症予防や健康維持にもつながりますし、困ったときに相談できる相手がいることは、大きな安心につながります。

とくに、ひとり暮らしになると、人と話す機会は一気に減ります。老後は社会との接点が少なくなりがちで、一日中外出しない日も珍しくありません。だからこそ、意識的にコミュニティに参加したり、自ら作ったりすることが大切です。時間に余裕がある老後だからこそ、まずは何かに参加してみることをおすすめします。

100歳の父が教えてくれたこと

ここで、今年100歳を迎える父の話を紹介します。もともとはゴルフの練習のために始めたウオーキングでしたが、次第に仲間が増え、ウオーキング同好会を立ち上げました。やがて会は広がり、県のウオーキング協会の役員も務めるようになりました。

また、市のオープンカレッジで開催されたパソコン教室に父と母が参加し、そのときの仲間とは20年近く、毎月昼食会を続けています。母が亡くなり一人欠けましたが、現在も全員80歳以上。父が最年長です。

月に1回、仲間と外出し、2〜3時間語り合う時間はとても貴重です。父の日常の外出は、毎朝の散歩と病院通いが中心ですが、この昼食会があることで孤立せず、20年近い気心の知れた関係が続いています。

原稿を書きながら気づいたのは、80歳でできた友人でも、100歳になれば20年来の友人になるということです。70歳でも80歳でも、友達づくりは決して遅くありません。

老後資金はいくら必要? あなたが今からできる資産形成の始め方、お金のプロに無料で相談![by MoneyForward HOME]