はじめに
「こうしたルールがあればいいのに」
そこで、この調査の最後に、今のDCのルールはひとまず置いておいて、「こうしたルールが日本のDCにあったらいいのに、と思う項目」について意見を募ってみました。その結果が図表3です。
先ほどご紹介した「会社・国による上乗せ拠出」についてもアイディアを説明したところ、左から2番目にあるように、かなり支持を集める結果になりました。
図表3 このようなルールがあったらいいと思う項目(複数回答可能)

また、それ以外にも以下のような仕組みが人気でした。
・50歳以上は掛金をより多く出せる仕組み
2026年5月に自民党の「資産運用立国議員連盟」が導入を提言したものです。50歳以降に老後準備を加速する目的から、キャッチアップ拠出とも呼ばれます。3.6万人調査は2025年に実施したものですが、かねてから要望が高い項目だったことがわかります。
・緊急時に資金引き出しができる仕組み
若年層を中心に多く支持が寄せられました。若い世代にとっては、老後の前に、教育費や住宅購入などの大きなライフイベントがやってきます。そうした時にDCのお金を使えないことが、加入をためらわせる一因になっている可能性があります。
米国の401(k)プランでは、加入者が自分の口座から一時的にお金を借りる制度や、困窮時に資金を引き出せる仕組みがあります。
老後資金を安易に取り崩すことには慎重であるべきですが、いざという時にまったく使えない制度でよいのかという問題は、日本でも検討に値すると思います。
DCを「わたしたちの制度」として考えるために
税優遇措置は、DC制度の大きな魅力の一つです。しかし今回の調査では、制度への理解不足や節税額の見えにくさが、税優遇の実感を妨げている現状が明らかになりました。
また、制度改正への要望としては、税優遇の拡充だけでなく、柔軟な引き出し制度や、会社・国による上乗せ拠出など、より抜本的な見直しへの期待も集まっています。
皆さんは、税優遇を実感しながらDCを活用できていますか。今のDCがやや使いにくいと感じるなら、どこを改善すればいいと思いますか。DCのユーザーである皆さんの意見は、これからの制度を形作っていくうえで非常に貴重なものです。
これを機会に、DCの理想像について改めて考え、「わたしたちの制度」として育てていくにはどうすればいいかを考えていただければと思います。
DC3.6万人調査の結果を解説するシリーズは、今回で終了です。長い間お読みいただき、ありがとうございました。
確定拠出年金3万6000人調査のレポート全文は、こちらから閲覧できます。
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