はじめに
・企業の好調な決算を背景に増配予想が増加し配当総額は過去最高水準の23兆円規模へ
・GPIFの累積収益は221兆円超でインカムゲイン(利子・配当収入)の比率が上昇
・ネクソンやGMOペパボなど今決算期に大幅な増配や特別配当を公表した4社を紹介
2027年3月期第1四半期(2026年4月~6月期)決算は、全体としてAI・半導体関連の需要拡大や、保有資産・不動産の売却益を背景に好調な滑り出しを見せる企業が目立ちました。
こうした好調な企業業績を追い風に、全体の5割弱が増配を予想しており、国内全体の配当総額は過去最高水準の約23兆円規模となる見通しです。これほど多くの日本企業が増配へと舵を切った背景には、東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)1倍割れなどの「資本コストや株価を意識した経営」を強く要請したことが挙げられます。
今回は、世界最大の年金積立金を運用するGPIFのデータから配当(インカムゲイン)の重要性を学ぶとともに、今決算期に増配や特別配当を発表して注目を集める4企業について解説します。
累積収益221兆円超のGPIF!安定運用を支える「利子・配当」と2つの利益
公的年金を運用するGPIFは2026年8月7日に、4〜6月の運用収益を公表し、24兆895億円のプラスという、四半期の運用収益としては過去最高を記録しました。世界的にAIや半導体関連株に投資マネーが集まり、株価が上昇したことが追い風となった結果です。
しかし、注目すべきは株価の上昇だけではありません。この24兆895億円の運用のうち、利子・配当収入による利益が1兆9,770億円を占めています。
ここで、株式投資で得られる利益の「仕組み」をおさらいしておきましょう。
株式投資で得られる利益には、「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2つの種類があります。キャピタルゲインは資産を「売ったとき」に出る売買の差益(値上がり益)のことであり、インカムゲインは資産を「持っている間」に継続して入る配当や利子などの利益を指します。
世界最大級の資産を動かすGPIFの安定した長期運用の裏側には、まさにこのインカムゲインの力があります。GPIFは、2001年から市場で運用を開始し、これまでの累積収益は実に221兆201億円のプラスにのぼります。この累積収益のうち、利子・配当収入は63兆3,662億円に達しており、実に全体の約28%を占めています。
さらに、各年度の収益額や収益率を見ると、インカムゲインは確実に上昇しています。直近の2025年度におけるインカムゲインは5兆5,203億円となっており、10年前の2015年度に記録した2兆5,424億円と比較すると、約2倍の規模にまで膨らみました。この数字を見ただけでも、日本企業が大きく変化したことがよくわかります。