はじめに

大学進学する場合は教育費は平均以上

高校生の教育費は、3年間で公立では約123万円、私立は約297万円が全国平均です。しかし、この調査結果は大学に進学しないご家庭を含む全国平均です。文部科学省「平成28年度学校基本調査」では、大学・短大への進学率は54.8%となっています。進学塾などにいくのであれば、教育費の全国平均を上回ると考えられます。塾代は、自宅から通うことのできる塾などの塾代を目安に備えておきましょう。また、高校3年生では大学の受験費用・納付金必要になりますので、あわせてご紹介します。

入学費用

日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(平成28年度)」によると、入学費用を「受験費用」(受験したすべての学校・学部にかかる受験料、受験のための交通費・宿泊費)、「学校納付金」(入学金、寄付金など)、「入学しなかった学校への納付金」と分け、実際にいくらかかっているかの調査結果がでています。これは進学する大学が国立か私立か、私立では学部により大きく異なります。

進路別入学費用の概算

進路学校納付金受験費用入学しなかった学校への納付金合計
私立短大約41万円約31万円約6万円約78万円
国公立大学約35万円約31万円約13万円約80万円
私立大学 文系約55万円約33万円約7万円約96万円
私立大学 理系約74万円約35万円約12万円約120万円

資料:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(平成28年度)」をもとに執筆者作成

大学生活が下宿の場合の費用は?

親元から離れ自宅外通学(下宿)を始めるための費用(アパートの敷金や家財道具の購入費など)が必要です。日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果(平成28年度)」によると、1人あたり平均41.9万円がかかっています。

また、下宿生活の間、仕送りをしているご家庭も多いのですが、年間仕送り額は平均145万円となり、大学4年間で約580万円となります。

家族で教育費プランを立て、必要な時期に現金を用意

今まで教育費がかかるケースをご紹介しましたが、高校の授業料には、「高校無償化」といわれる国の支援制度があります。正式には「高等学校等就学支援金制度」という名称で、所得制限がありますが、公立高校では年間約12万円支給されます。私立高校にも補助があり、世帯の収入に応じて年間約11万円~30万円の支給があります。また、大学においても貸与型の奨学金だけでなく、返済不要の給付型奨学金や支援制度も増えてきています。

ご家庭にもよりますが、教育費で一番かかるのは、高校3年生と大学生です。大学進学のために進学校を目指す場合は、中学生から塾代などもかさみ、中学3年生では、塾・夏期講習・春期講習など一気に教育費が膨らむことも多いです。こういった教育費において、支援金制度や奨学金ですべてをまかなうことはできません。是非、子供が小さいうちから「我が家の教育費プラン」を立てましょう。大切なのは、「いつまでに」「いくら」教育費を準備するかご家庭で話し合うことです。

子供が小さいうちから教育費に備えることで、親として安心しての進路を応援したいですね。

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