はじめに
牛丼3社の月次データを比べると
では、牛丼業界全体が好調なのか? 6月から9月までの牛丼大手3社の月次の既存店売上高(前年同月比)を比べてみます。

こうして見るといちばん勢いが強いのは、すき家です。4~9月は客数が6か月とも前年を上回り、上期累計で売上は12.2%増、客数は10.7%増でした。ただ客数の伸びは、4月の20.4%増から9月の2.3%増へと小さくなっています。吉野家は6~8月に客数が前年を下回りましたが、9月は4.3%増と、すき家を上回る水準に戻しています。残念ながら、松屋は、見てのとおり既存店売上が前年を割る月があり好調とはいえません。
年初来の株価推移は、各社の勢いを見事に反映しています。
画像:TradingViewより
吉野家は、10月15~21日に牛丼祭を行っています。通常498円の並盛が398円の大盤振る舞いで、かなり大盛況だったよう。パリだとおにぎりひとつでも398円で買えません。この値段で利益は出るのか?と心配になりますが、米価格の下落を追い風に、勝算は十分にあるのでしょう。
株価は決算翌日の10月9日に5%超上昇し、終値は3,950円でした。さらにそこから上昇基調で10月23日には上場来高値の4,510円をつけています。予想PERは47倍を超えており、これはやや過剰評価な気もします。半導体関連から引き上げたお金が、いったんの逃げ場として集まっているのかもしれません。
信用倍率が0.19倍とかなり売り残が多いのも、株価にとってはプラス要因です。上昇が続くと、売り方は買い戻しに入らざるをえなくなり、株価がさらに上値を追う可能性も十分あります。半導体ブームが危うい中、行き場を失った投資家が、好決算で分かりやすい内需株に引き寄せられてくるのを期待したいところです。
今後の注目点は、下期も勢いが続くかどうか
中間決算のタイミングで営業利益は15億円上方修正していますが、そのうち上期の上振れ分が約12億円です。上期予想46億円を前提にすると、下期の見通しは約3億円しか上げていません。下期の営業利益は約42億円で、前年同期比15%増ほど。上期の30%増よりかなり控えめな見通しです。この数字をいい意味で裏切ってくれれば、牛丼王に君臨するのはほぼ確実と言えます。とりあえずは、10月以降の月次売上で動向を確認したいと思います。
※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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