はじめに
AI関連企業の業績と株価上昇の持続性

AI相場のリスクを点検する際は、株価や決算だけでは不十分です。
社債の信用スプレッドおよびCDS、フリーキャッシュフローとキャピタル支出の比率、有利子負債、借入依存度、満期構成、データセンターの稼働率、受注残、電力契約、AI関連売上の実績と、それに対する設備投資額、長期金利および実質金利の水準なども確認する必要があるでしょう。
一方で、AI関連企業の業績が市場予想を上回り、設備投資の収益化が進めば、株価上昇が長期化する可能性もあります。
FactSet集計の2026年10月2日時点では、S&P500構成企業の2026年暦年のEPS予想は362.65ドル、2027年暦年は419.32ドルとされています。2027年は2026年比で約15.6%の増益見込みです。
この利益成長が実現するのであれば、株式市場を支える要因になります。だからこそ、流布しているベナーサイクルのチャートで2026年が高値圏とされることを理由に、保有株をすべて売却するような判断は合理的ではありません。
重要なのは、株価上昇が企業利益の拡大を伴っているのか、それとも期待先行によるPER拡大で支えられているのかです。前者であれば上昇の持続性は相対的に高く、後者であれば金利上昇や業績期待の下方修正に対する脆弱性が高まります。
逆業績相場への移行リスクと今後の投資戦略
今後の投資戦略では、相場の上昇局面を活用しながら、下落への耐性を高めることが重要です。
米国の中間選挙では、現職大統領の所属政党が議席を減らすことは珍しくありません。しかし、今回の民主党の大勝によって、トランプ政権の政策運営には新たな制約が生じ、株式市場にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
2028年の大統領選で民主党が大統領職と上下両院を掌握する「トリプルブルー」への警戒も高まり、中長期的には株式市場の重荷となりそうです。特に今後は、景気減速と企業業績の悪化が株価を押し下げる「逆業績相場」への移行リスクを意識したい局面です。ただし、政策転換によって恩恵を受ける業種もあるため、相場全体を過度に悲観するのではなく、金利動向や企業収益、政策の方向性を見極めながら、セクターごとの選別を強めることが重要だと考えています。
この記事が、皆様の投資の一助になれば幸いです。
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