はじめに

価格が1年で480倍になった通貨も

確かに昨年初めから直近の最高値まで、ビットコインが約20倍、イーサリアムが約170倍、XRP(リップル)が約480倍と、異常なまでの価格上昇を記録してきました。これまでの上昇具合を眺めると、先週の下落も上昇分の一部が剥落しただけという見方ができます。

こうした値動きをとらえて、仮想通貨にはそもそも「実体」がなく、適正価格がないため、価格が上昇するときにはどこまでも上昇するし、下落するときにはどこまでも下落するという指摘もあります。

確かに仮想通貨には、各国の中央銀行のような信用ある発行体がありません。実際の紙幣やコインにあたる「現物」がないこと、実際に使える店舗も多くないことなども、そうした指摘の根拠にあると考えられます。

昨年から足元までの価格変動をみると、現在の仮想通貨市場の状況はやや投機的な動きによって乱高下をしていて、「バブル」の生成と崩壊の姿であるという見方も、あながち間違いではないのかもしれません。

値動きの激しさは投資妙味にも

それでは、私たちは仮想通貨にどのように向き合えばいいのでしょうか。仮想通貨は投資すべき対象ではないのでしょうか。

現在の仮想通貨を取り巻く上記のような市場の状況は、仮想通貨に対する投資には大きなリスクが伴うことを示しています。だからといって、仮想通貨に投資してはいけないというものでもないと考えられます。

価格変動が大きいということは、投資対象としても魅力的である、ということにもなります。ただし、投資する際にはそのリスクを十分に認識して、慎重に行う必要があります。

たとえば、分散して投資するポートフォリオ全体を意識して、そのうちのどの程度の金額・割合を仮想通貨に投資するのかを決める必要があります。その際、投資した金額のほとんどが無価値になったとしても生活費や中長期的な資産形成に大きな悪影響が及ばないような金額・割合にとどめることが重要です。

また、レバレッジ取引は価格下落時には損失を大きく広げることになります。損失拡大のリスクをきちんと認識して、利用するにあたっては慎重に検討する必要があります。

仮想通貨の成り立ち、通貨別の特徴や将来性などを勉強して、投資割合を決めることも必要かもしれません。外為取引をしている投資家の方は、各国通貨の背景にある各国の景気や経済の状況などファンダメンタルズを理解したうえで投資することも多いと思います。仮想通貨に対しても、そのような姿勢が必要といえそうです。

仮想通貨は「仮想国家」の通貨?

仮想通貨を仮想国の通貨と考えれば、新しい見方ができるかもしれません。

その「仮想国家」は、今は小さな国で、各国との貿易額も大きくなく、その国の通貨を日本国内で使える店舗は多くありません。でも、もしかしたら近い将来、その「仮想国家」がインターネットやeコマースの世界で着実に経済力を高めていき、その「仮想通貨」を使える店舗も増えていくと、「仮想」だと思われていた通貨が「実体」を持つものになる可能性もあります。

仮想通貨をめぐる経済圏がどのようなスピードでどのくらい広がっていくのかを想像してみると、現在の仮想通貨の価格乱高下も違った視点で見ることができるのかもしれません。

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