はじめに
マイナス金利が導入され、普通預金の金利も0.001%と超がつくほどの低金利に。そんな超低金利時代の今、銀行にお金を預けていてもお金は増えません。では、お金を増やすにはどうしたらよいのでしょうか。おそらく「投資をするしかない!」と思っている人も少なくないことでしょう。
確かに、投資のスキルも経験もある人は、投資はお金を大きく増やすには有効な方法です。しかし、投資の勉強をすることなく、安易に始めてしまうと大きく損をしてしまい、お金が増えるどころか大きく減らしてしまう可能性も。
そこで、ぜひ知ってほしいのが、税金の知識を身につけることにより、納める税金の額をぐっと減らし、お金を増やす方法。税金の知識を上手に活用することで、リスクゼロでお金を増やせる可能性が高くなるのです。
7月26日に出版した「税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法」(河出書房新社)では、一般の人でも税金の知識が理解できるよう、具体例を多く盛り込み、わかりやすく解説しています。
投資経験のない人でもできる「資産を増やす確実な方法とは」
お金を増やすというと、「投資」を思い浮かべる人が多いと思いますが、投資の勉強をするのは簡単ではなく、知識を習得するにも時間がかかります。かといって、超低金利の預貯金にお金を預けていてもなかなかお金は増えません。では、いったいどうしたらよいでしょうか?
普通の人が一番取り組みやすいのが、税金の知識を身につけて「税金を取り戻し、お金を増やす」方法。
投資はお金を大きく増やせる可能性はありますが、投資の知識や経験のない人が行うと、失敗し、損をしがちです。そして、一度損をしてしまうと二度目のチャレンジにはなかなか勇気がでないもの。そして、投資から遠ざかり、いつまでたってもお金が増えない…ということになってしまいます。
初心者の人がまず取り組むべきは、増えるか増えないか不確実な投資よりも、「税金を取り戻す方式でお金を増やすこと」。この方法ならリスクゼロでお金を増やすことができます。
控除をフル活用して税金を取り戻す!
そもそも私たちが生涯で支払う税金の額はどれくらいかご存知でしょうか?大卒の男性の生涯賃金は約2億5000万円といわれていますが、そのうちの実に約4割が税金や社会保険料で差し引かれます。額面が約2億5000万円だとすると、約4割にあたる1億円が税金や社会保険料で差し引かれてしまうのです。
この1億円のうち、10%でも取り戻すことができれば1000万円。もし、20%を取り戻すことができれば、2000万円にもなります。つまり、生涯で支払った税金を取り戻すだけでも、大きな資産を作ることは可能なわけです。
ただし、頭の隅に置いておいていただきたいのは、税金は「一気に取り戻すことは不可能」ということ。毎年支払った税金をコツコツ取り戻すのです。
とはいっても、30万円を毎年取り戻すことができれば、33年で約1000万円を取り戻すことになります。
そして税金を取り戻すには、「控除」をフル活用する必要があります。控除には、基礎控除、医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、寄付金控除など、さまざまな控除があります。
また、今話題の確定拠出年金や自営業者の年金の上乗せ分を手助けする国民年金基金などの掛け金も所得控除が適用になります。
控除を活用するとどれくらい税金が安くなるのかは、『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』の中でシミュレーションをしていますので、よかったら参考にしてみてください。
税金を安くする「控除」について、ぜひ知っておきましょう。
知っておきたい195万円の壁
103万円の壁、130万円の壁は、主婦の働き方を考えるうえで重要な壁として知られていますが、意外に知られていないのが「195万円の壁」。そもそも税金は、収入からさまざまな控除を差し引いた「課税所得」に対してかかるものですが、課税所得の金額により所得税の税率が変わります。課税所得金額が195万円以下の場合、税率は5%、195万円を超え、330万円以下は10%、330万円を超え、695万円以下は20%となります。
所得税の税率が5%なのか、10%なのかは大きな違いです。その壁が5%から10%へと上がるキーとなる数字が「195万円」というわけです。
控除を知ることで、195万円を超えた場合、どんな控除を使えば195万円以内にできるのかがわかります。
これからの時代、お金の知識を身につけ、それを活用している人としていない人では大きな差ができてしまいます。
ぜひ、お金の知識を身につけ、活用し、ハッピーな人生を送りましょう。
頼藤太希(よりふじ・たいき)
株式会社Money&You 代表取締役
日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)。ファイナンシャル・プランナー(AFP)。宅地建物取引士。千葉県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、アメリカンファミリー生命保険会社資産運用リスク管理部で金融工学を駆使したリスク管理業務に従事。2015年に株式会社Money&Youを創業し、代表取締役社長に就任。“一生涯のお金の相談パートナー”が見つかる女性向けメディア「FP Cafe®」を運営。メディアなどで投資に関するコラム執筆、書籍の監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書に『金融機関が教えたがらない年利20%の最強マネー術』(河出書房新社)、『お金の新情報』(スタンダーズ)がある。
高山一恵(たかやま・かずえ)
株式会社Money&You 取締役
ファイナンシャル・プランナー(CFP)。DC(確定拠出年金)プランナー。
東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンを創業。10年間取締役を務めた後、株式会社Money&Youの取締役に就任。全国での講演活動をはじめ、執筆・マネー相談など、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。『パートナーに左右されない自分軸足マネープラン』(日本法令)、『35歳までにはぜったい知っておきたいお金のきほん』(アスペクト)、『史上最強のFP2級AFPテキスト』『史上最強のFP3級テキスト』(ナツメ社:監修)など、お金の分野での著書多数。