読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は野瀬大樹氏がお答えします。


音楽関係の仕事で生計を立てている35歳です。ここ数年でようやく収益が安定し、年収が700万円ほどになり、投資を考え始める段階になりました。まだ資産のない自分にとって、インカムゲインよりもまずはキャピタルゲインで資産形成を図るのがよいと思っています。
しかし、今年に入って会社員からフリーランスに転向したため、リスクに慎重にならないといけないという認識も持っています。投資への入口でつまづきたくないので、よいアドバイスをお願いいたします。
(30代後半 独身 男性)

投資方針の決定と現状の把握

**野瀬:**投資方針を決定するときに大切なのは、現在の状況と目的を設定することです。そして、自分のとるべきリスク・とることができるリスクを考えて、投資先を考えることになります。

現在の状況、年収は700万ですので、同じ世代の男性と比べるとよいグループに入ります。家賃など支出面および今の貯金額や資産額が見えないので推測で仮定を置くしかないですが、独身とのことでおそらくそこまで貯金は多くないし、ご自宅も賃貸だと思います(私もそうでしたが、独身だとよく飲みに行ったりしてしまいますからね)。

またお仕事はフリーランスとお伺いしています。私もそうですがフリーランスの場合収入が安定しないため、コツコツと投資をすることをおすすめします。実際、私が投資を始めた原因もそれです。年金も国民年金のみになると思いますので「自分年金づくり」という意味合いも強いかもしれませんね。

となると、目的になるのは「老後資金」です。

今後の投資方針

ここまで考えると、不安定とはいえ年収が700万もあり投資目的が老後資金である以上、個人的には「低リスクのインカムゲイン狙い」でよいと考えます。理由は複数ありますがだいたい以下のような内容でしょうか。

  • 不安定とはいえ年収はある程度あるうえ、独身なので支出を少し見直せば貯金はかなり貯まると推測される
  • 目的が老後資金というリスクを取りにくいものである
  • 現在の市況からガツンと投資できる投資先(株・投信・不動産)がなかなか見つかりにくい(特に投資初心者には見つけにくい)

ただ、質問者の方からは「キャピタルゲインを狙いたい」とありますので、その意向も踏まえて考えると、まずはバランス型の投資信託の購入から始めて、その後で投資に慣れてくると個別株を買うとよいかと思います。

不動産投資は、本業がフリーランスで音楽関係とありますので、融資を組むのが難しいもしくは組めても条件が悪い(つまり借入の利率が高い)ので、仕事が安定するまでは避けたほうがよいでしょう。

実際の投資信託銘柄選びですが、私は個人的にはモーニングスターを見ることが多いですが、少し初心者には分かりにくいと思いますので、証券会社が各々ホームページ上で提供している投資信託の条件検索でも十分かなと思います。株や債券などの組み入れ、投資先の国や、分配の有無など条件を入れれば山ほどある投資信託をかなり絞り込んでくれます。