はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの家計相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する花輪陽子氏がお答えします。
職業:会社員 ※妻は専業主婦
居住形態:賃貸
住んでいる地域:神奈川県
年収550万円、預貯金400万円、財形100万円、証券150万円の資産があります。
毎月の貯蓄は財形1万円、投信1.5万円、持ち株1万円、個人年金1万円です。
33歳と36歳で子どもを作ろうと計画しており、それに伴い戸建ての家を買おうと考えております。現在の年収と資産、また子ども二人を大学に出してあげるとした場合、家の購入にはどの程度までお金を使っても良いものでしょうか?
(32歳 既婚・男性 子供なし)
花輪: ご相談ありがとうございます。
住宅購入金額の目安
2016年度フラット35利用者調査によると、神奈川県の土地付注文住宅の平均所要資金は4813万円です。同調査によると、土地付注文住宅融資利用者の主要指標として、首都圏の平均的な融資金は3908.7万円、手持金は560.1万円ということです。
例えば、3500万円を金利1%で30年返済をした場合、毎月の返済額は11万2,573円になります。
手取り年収を12で割った手取り月収が37万円だと仮定します。そうすると住居費が手取り月収の30%程度に収まるので、この水準だと他の支出を回しやすいです。
10年固定にすれば、現在は1%未満の金利を提示している金融機関が多く、10年間は金利の変動を受けることがないのでその間にローン返済に励むことができます。遅くても定年退職前に完済をしたいので65歳で退職をするのなら、35歳くらいで購入するかを決めるとよいですね。自己資金をもう少し増やせるように貯金に励んで住宅ローンを借りいれる金額を抑えられると尚よいです。
子どもの教育費の目安
教育費の計画に関しては、文部科学省の「子どもの学習費調査」(平成24年度)によると、幼稚園(3歳)から高校3年生までの15年間をすべて私立に進学した場合の教育費は約1677万円となり、すべて公立に進学した場合(約500万円)の約3.4倍になります(学校外活動費も含む)。保育事情によってはもう少しお金が必要になることもあるでしょう。
大学の入学、在学費用に関しては、日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果(国の教育ローン利用勤務者世帯)」(平成25年度)によると、国公立大学の場合で合計約519万円、私立大学文系の場合で約691万円、私立大学理系の場合で約812万円が平均的にかかっていることが分かります。
例えば、幼稚園から高校までの15年間はオール私立で、大学は私立理系の場合、19年間で2500万円程度の教育費が必要ということになります。
1年当たりに換算すると、1人130万円程度の教育費を捻出する必要があるのです。子どもの人数が2人だと2倍に膨らみます。そのため基本公立コースにして、私立を考えるなら共働きにするなどで収入を増やす努力をしましょう。
子どもの大学資金をどう貯めるか
子どもの大学資金に関しては、児童手当を全額貯めるのと同時に子ども一人につき月1万円ずつ貯めましょう。
児童手当を使わずに頑張って全部貯めると、子ども一人当たり約200万円(3歳未満=月額1万5,000円、3歳以上小学校修了前=第1子・第2子は月額1万円、第3子は月額1万5,000円、中学校=月額1万円 所得制限あり)になります。
手当に加えて子ども一人当たり月1万円を貯めれば18年間で216万円貯まります。児童手当と合わせれば子ども一人当たり400万円以上になるので大学費用の備えになります。
子どもの手が離れたら妻が働くことで収入をつけるようにすれば、老後資金を貯めることや旅行に行くことや買い物をすることも可能になります。