はじめに

用件の書き方で返信の速さが変わる

いつ返信がくるかわからないメールのやり取りで生産性を上げるには、メールの「往復数」を減らすことが定石です。なぜなら、往復数が増えるほど返信待ちが増え、本当にほしい答えをもらうまでに時間がかかるからです。

といっても、往復数を減らすために、1通のメールにいろいろ用件を詰め込むのはNG。なぜなら自分のメールの作成はもちろん、相手側の返信作成にも時間をとってしまうことにつながるからです。

そこでポイントとなるのは、「一言」で返信をもらえるようにすることだとNAEさんはいいます。その方法はメール本文に書く質問をクローズドクエスチョンにするというもの。クローズドクエスチョンとは「はい・いいえ」で答えられる質問のことです。これを使えば、返信は極端な話、YかNの一文字だけで済むのです。

たとえば、すこし複雑な説明が必要になる場面では「まずは、この方向で進めてよいか、ご返信いただけますか?」と書けば、相手はよいかどうかを判断すればいいだけなので返信しやすくなります。また進め方を相談する場面では「A、B、Cのうち、どれがよろしいでしょうか?」と具体的な選択肢を提示すれば、3つのなかから選べばいいので、返信しやすいでしょう。

泉くん:「件名に、用件を工夫してと……」
君島さん:「とにかく、メールまわりのアクションが超鈍いから、返信のハードルを限界まで下げないとね。それに、返信がなくても動けるようにしないと、仕事が進まなくなることもあるよ」
泉くん:「そんなに……」

返信がなくても動けるしかけを仕込む

メールには、想定した期限内に返信がもらえない「待ち状態」リスクが常について回ります。このリスクを避けるため、本来の期限より前に返信期限を設定したり、繰り返しリマインドを送ったりしたことがある人も多いのではないでしょうか。

しかし、どんなに対策をとったとしても、リスクをゼロにすることはできません。そこで膨大な仕事を最少の時間でどんどんこなしているコンサルタントが講じているのが、期限を切るだけではなく「自動アクション」を書くという方法。自動アクションとは、返信がなくとも自動的にアクションができる状態を作ることです。

具体的には「期限内に返信がなければこうします」という内容を書くのです。たとえば、資料のレビュー依頼の場合、「3日以内にレビューのフィードバックをいただけない場合、送付時点の資料にてレビューOKとみなさせていただきます」といった一文を付け加えることで、返信待ちで仕事が先に進まないリスクの影響を極力抑えることができます。

相手からの返信が遅れる可能性がある場合は、「期限つき自動アクション」を仕込んで、先手を打つことで、「待ち状態」による仕事の遅れを避けることができます。

ただし、当然ながら用件や相手によっては使えないことがあります。たとえば、1億円規模の予算承認を依頼するときに、「返信がなければ承認されたとみなします」と進めることはできません。自動アクションは、あくまで小さな進捗阻害要因に対して使うようにしましょう。

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