はじめに

これからお金を貯めようという方の中には1000万円を目標としている方も多くいらっしゃるかと思います。でも「やっぱり難しいかも~」なんて思って最初からあきらめてしまうこともあるかもしれません。

実際、他の人はどれくらい貯められているのだろうというのは気になりますし、他の人の行動を参考にすることで、意外と1000万円のハードルも下げることができるかもしれません。

今回は2017年11月に金融広報中央委員会が公表している、「家計の金融行動に関する世論調査」から、年代別の貯蓄状況を覗いてみることにします。


一人暮らしの30代は6人に1人、40代は4.5人に1人が貯蓄1000万円以上

2017年11月に金融広報中央委員会が公表した最新の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、一人暮らしの方で貯蓄が1000万円以上と答えた人の割合は年代別にみると以下のようになっています。

●20代 2.3%
●30代 18.5%
●40代 21.4%
●50代 28.4%
●60代 36.1%

20代で1000万円以上の貯蓄があるのはさすがに少数派ですが、30代、40代になると、意外と貯めている人いるんだなという印象をありませんか?

一方、同じく一人暮らしの貯蓄ゼロの世代別割合は以下のようになっています。

●20代 61.0 %
●30代 40.4%
●40代 45.9%
●50代 43.0%
●60代 37.3%

こちらも20歳代の貯蓄ゼロ率は少し高めですが30歳代から60歳代とを見ますと40%前後と年代別にはあまり違いがないように感じられます。

貯める習慣がない人は、いくつになっても貯めないものということなのかもしれません。
一方、将来への備えの大切さに気づいている人は堅実に意外と多くの人がコツコツと貯め始める行動に出ているということなのでしょう。

二人以上世帯は30代は9人に1人、40代は5人に1人が貯蓄1000万円以上

二人以上世帯のうち1000万円以上貯蓄があるというご家庭は以下のようになっています。

●20代 6.8%
●30代 11.3%
●40代 20.7%
●50代 32.8%
●60代 40.1%

20代の1000万円以上の保有割合が一人暮らしと比べて3倍以上となっています。実家暮らしの方や、すでに結婚をして夫婦二人分の収入があり余裕がある等の生活環境によるものなのかもしれません。

ただ、特に30代や40代は一人暮らし世帯に比べて、1000万円以上の保有率は下がっています。結婚等で家の購入資金や、教育資金の負担による支出増等が影響しているのかもしれません。

ちなみに、二人以上世帯の貯蓄ゼロの世代別割合は以下のようになっています。

●20代 35.8%
●30代 33.7%
●40代 33.7%
●50代 31.8%
●60代 29.4%

一人暮らしと比較すると、どの年代も貯蓄ゼロの割合は低くなっています。
家族という存在が、無駄なお金の使い方にブレーキをかけさせてくれているのかなとも考えられますね。

まとめ

1000万円を貯めるためには単純に考えると10年では月約8.3万円、20年では月約4万円残していけば良いわけです。
最近は、どちらかというと貯蓄ゼロの多さを問題視したニュースのほうが目立っているようで、今のご時世貯蓄なんてできないよ!なんて風潮になっているようにも思います。

でも、今回のデータから、他の人は意外と「貯めていないようで貯めている」と捉えて、1000万円を目指していただきたいですね。

寺野 裕子 ファイナンシャルプランナー
2007年に1級FP技能士を取得。資格取得直後、生涯設計(ライフプラン)の基づいたファイナンシャルプランニングの実行支援を行うため保険会社を退職。2008年にミスターFP徳島オフィスを開業。2014年には事務所運営スタイルをフィーオンリーへ移行し、事務所名を「てらの・ファイナンシャルプランニングオフィス」と改名。(フィーオンリーとは当オフィスがいただく報酬はお客様からいただく相談料のみで、金融機関等からの紹介手数料等は一切得ないスタイルを言います。) 「ファイナンシャルプランニングは100人100様」をモットーに、一人ひとりに最適なライフプランの実行支援を行っている。FP Cafe登録パートナー。

記事提供/Mocha

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