毎年恒例となっている、リクルート住まいカンパニーがまとめた「SUUMO住みたい街ランキング」。2月28日に発表された2018年関東版では、集計以来初めて横浜が首位に立つなど、いくつかの変化がありました。

その中で特に気になったのが、住みたい街として高い人気を誇ってきた「自由が丘」の凋落です。2016年は4位でしたが、昨年は11位、今年は13位までランクダウンしています。

背景には、どんな事情があるのでしょうか。調べてみると、“家選び”をめぐる2つの傾向の変化が浮かび上がってきました。


東京駅ダイレクトアクセスが人気化

2月28日の発表以降、多くのメディアで取り上げられた「住みたい街」の最新ランキング。横浜が初めて首位に立った一方、昨年1位だった吉祥寺は3位に後退。大宮、浦和という埼玉県を代表する2つの街が急伸し、トップ10に入りました。

この最新ランキングから、どんな傾向が読み取れるのでしょうか。不動産調査会社・東京カンテイの井出武・上席主任研究員は、2つの傾向変化を指摘します。

1つは、沿線選びの変化です。これまでは沿線のブランド力を重視する傾向がありましたが、最近は実利、特に交通利便性を重視する傾向が強まっているといいます。特に、今回の住みたい街ランキングから読み取れるのが、「東京駅ダイレクトアクセス路線」の人気の高まりです。

冒頭でも触れたように、大宮は2016年が21位、昨年が15位でしたが、今年は9位まで上昇。同じく、浦和も32位→19位→10位と年々ランクアップしています。ほかにも、柏が64位→34位→21位と急上昇してきています。

大宮と浦和は京浜東北線で東京駅まで1本。柏も、2015年に上野東京ラインが開通したことで、上野で常磐線から乗り換えなくても、直接東京駅に向かうことができるようになりました。

一方、2年前はトップ5に入っていた自由が丘が、今年は13位と低迷。また、二子玉川は10位→13位→16位と、三軒茶屋は19位→24位→32位と、年々順位を落としていっています。いずれも東急東横線、東急田園都市線の人気駅ですが、東京駅には直通で行けません。

背景には東京駅周辺の再開発

リクルートがまとめた「住みたい沿線」ランキングでも、トップ5は2位の東急東横線を除くと、いずれも東京駅ダイレクトアクセスの路線です。1位の山手線が東横線にダブルスコア以上の差をつけて、首位を独走。逆に東横線は、3位の京浜東北線に僅差まで詰め寄られています。

こうした傾向は、不動産価格にも現れているようです。「埼京線と京浜東北線の主要駅のマンション価格を比較すると、東京駅にダイレクトでアクセスできる京浜東北線のほうが、資産価値が維持されやすい傾向があります」(井出氏)。

背景にあると考えられるのが、東京駅周辺で続くオフィスビルの再開発です。「東京駅周辺のオフィス床面積が増えて、そこに勤務する人が増えています。逆に、埼京線の通る新宿は西口の高層ビル群が建て替え時期に差し掛かっており、その差が沿線の資産価値にも現れているとみられます」(同)。

ほかにも、東急線のターミナル駅である渋谷では、駅周辺の大工事が何年にもわたって続けられています。また、田園都市線では昨年10月と11月に相次いで停電が発生するなど、トラブルが相次いでいます。こうした影響が沿線の人気にも及んでいる可能性もありそうです。