はじめに
テレビ出演の反動か、再び失速
そうして徐々に経営も軌道に乗ってくる中で、2015年10月にはテレビの経済ドキュメンタリー番組で取り上げられるまで成長しました。テレビでの露出で知名度も一気に高まり、この年の業績は本業の儲けを示す営業利益が前期比31.8%増と、大きな伸びを示しました。
しかし、好事魔多し。テレビ露出による効果も長くは続かず、1年後には売り上げの伸びが鈍り始めました。「どうやら原因はテレビの反動だけではない。お客様の節約志向は根強く、そうしたニーズに対応できていないのが原因ではないか、という結論に至りました」(古田取締役)。
そこで、昨年1~2月に来店客に配布するスクラッチカードの当選金額や当選確率を引き上げ、次回来店のインセンティブを高めました。これと並行して、主力商品であるハンバーグの見直しにも着手。半年をかけて、150のレシピの中から選抜し、ステーキのような食感のハンバーグに仕上げました。
備長炭の炭火で調理されるステーキとハンバーグ
さらに9月には、平日限定のランチを導入。年度前半は既存店の売上高が前年を割り込む状態が続いていましたが、7月以降は客数の回復が牽引する形で、売上高が前年同月を超えるまで持ち直してきました。
利益をもらって商品として還元
2018年も改革の手綱を緩めるつもりはなさそうです。今月半ばには「大人数で楽しめる商品」(古田取締役)を提供する予定だといいます。「わざわざ外に食べに行くワクワク感を感じられるレストランにしていきたい」と抱負を語ります。
最近のファミレス業界では、集客のためにクーポンを乱発した結果、レジでの業務が煩雑化してしまい、店舗運営に支障が出るケースが増えているといいます。しかし、それでは顧客満足度が高まらないだけでなく、販促費用の増加によって収益も伸び悩んでしまいます。
ブロンコビリーには、こんなポリシーがあるといいます。「利益の前に『御』を付けると『御利益(ごりやく)』になります。利益をきちっといただいて、それを商品として還元していきたい」。
何度も挫折を味わったからこそ、たどり着いた今の店舗スタイル。その信念こそが、高収益体質の根源なのかもしれません。