はじめに

副業などで利益が出ると、後から驚くほど多くの税金支払いが待っていることがあります。

自営業者であれば事業から得た収入がすべてですが、副業をしている方は安定した給与収入にプラスして副業収入があるため、給与収入から天引きされている税金だけではおさまらず、追加で副業の利益に対して税金がかかるのです。

確定申告後の税金支払いで困ることのないように、どのような税金がかかるのか見ていきましょう。


予想外に高くなる副業の税金

毎年1月から12月までの収支に基づいて翌年3月15日までに確定申告を行うことで、一年間の納税額を確定させることになります。また、税金を追加で納めることになった場合には、所得税と復興特別所得税(以下、「所得税等」)をあわせて3月15日までに納付することになります。(振替納税を利用する場合は4月20日に口座振替が行われます。)

給与収入の所得税は、会社が行ってくれる年末調整で税金の精算が終わります。では、副業で利益(収入から経費を引いた残りがプラスとなる場合)が出ている場合は、追加でいくらの納税が必要になるのでしょうか。

仮に、給与収入が400万円、副業で100万円の利益が発生したとしましょう。社会保険料の年間支払額が60万円だとすると、ほかに生命保険料控除などがなければ、年末調整を終えた時点で8万5,700円の所得税等を納めていることになります。

ここに副業の利益100万円分が追加されると、追加納税額は8万8,300円になります。年末調整時点で納めていた所得税等と、ほぼ同額の納税が必要となる計算になります。

所得税以外にも、後払いの税金

給与収入が400万円のときの納税額は8万5,700円でしたが、副業利益が100万円追加されることで増える税金が8万8,300円と聞くと驚かれる方も多いのではないでしょうか。

給与収入の税金を計算する際には、「給与所得控除」という控除を受けられたり、一年間に支払った分の「社会保険料控除」や各人に平等な「基礎控除」が38万円分受けられたりと、税金を減らす仕組みが働いていました。

一方、副業の税金を計算する確定申告のタイミングでは、これらの控除はすでに計算に織り込まれています。したがって、副業利益にはダイレクトに税率がかかり税額計算を行うことになるため、納税負担が想像以上に大きなものとなってしまうのです。

住民税も同様で、副業利益にダイレクトに税金が発生します。こちらは確定申告の際に一定の手続きをすることで、6月、8月、10月、1月の4回に分けて副業利益の約10%の税金を納めることになります(普通徴収)。何の手続きもしなければ、副業利益に対する住民税も含めた合計額が、給与収入から毎月天引きされることになるため負担感は少ないかもしれません(特別徴収)。それでも6月以降の住民税天引き額がぐっと増えることになると、給与の手取り額は前年に比べて減ることになるかもしれません。

このほかに、副業利益が290万円を超えると、文筆業などを除くほぼすべての業種で「事業税」の納税も必要になります。

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