はじめに
なぜGWラリーは起きるのか
集計の結果から、連休の谷間は株価が上昇する傾向が強いことが確認できました。30年のうち、上昇した年の割合が63%ということは、3回に2回近く上昇しています。
そして、30年間の平均は0.45%となり、最も上昇したのは2009年の8.32%となりました。ちょうど、前年のリーマンショックからの戻りの年です。まさに、GWラリーです。
では、こうした上昇がなぜ起こるのか、原因を考えましょう。理由はサンタラリーと似ているのです。
楽天的な投資家と違って、心配性な投資家の中には、お休みの期間で何か悪いニュースが出ないか、心配になる人がいます。去年の例だと、5月3日から5日連休にもなります。この期間に突然、北朝鮮情勢が悪化するかもしれません。日本の政局の不透明さが増すかもしれません。そうなってもポジションを手仕舞う対応ができません。
であれば、連休前にある程度、ポジション整理の売りをしておこうと思う方も少なくありません。ですので、連休前の1週間の株価は勝率も50%を割っており、あまり良い相場ではないようです。連休前にかけて心配性の投資家がポジション整理をするからです。
GWラリー狙いの注意点
したがって、GWラリーを実際の投資に活かすには、買いたい銘柄や株式投信などがあった場合には、連休直前まで待って投資すれば売れば良いんだな、ということになります。
ただ、注意点が1つあります。去年の連休の谷間となる5月2日までの日経平均は、アノマリー通り1.3%上昇しました。ところが、前年の2016年と、前々年の2015年はともに、連休中の株価はマイナスになってしまいました。ですので、下表にあるように、過去3年の連休の谷間の騰落率を平均すると1.75%のマイナスです。
2016年はGW期間に海外の為替市場で株価にとってマイナス要因となる円高が進んだこと、そして、2015年も同様に円高や世界的な株安の流れがあったことが理由です。いくら連休前に「弱気がち」な投資家が市場から減っていても、実際に連休中に相場環境が悪くなれば、連休の谷間の株価は軟調になります。
「なんだよ、それではGWアノマリーは使えないじゃないか!」と思われる読者も少なくないでしょう。ところが、表2をもう一度ご覧ください。
連休終了から1週間後までの騰落率を見てみましょう。平均して1.99%の上昇でした。騰落率の最小値は2015年ですが、それでも1.83%と上昇になっています。これは、連休の谷間に投資環境の悪化を織り込んで下落しますが、その後は反動から株価が好調となるようです。つまり、連休の谷間の相場は厳しくても、その後の挽回が期待されるわけです。
さて、今年のケースはどうなるでしょうか。連休は4月28日からスタートです。前日の27日の大引けで投資すれば、もしかすると連休の谷間のGWラリー、あるいは、その後の堅調な相場が期待できるかもしれません。