はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。
毎月1.5万円を貯金していますが、カードローンの返済が毎月2万、クレジットカードの支払いが多い時で2万円あります。カードローンは利子を払っている感じでなかなか減りません。カードローンから抜け出すには、どうしたらよいのでしょうか。
〈相談者プロフィール〉
・女性、30歳、シングルマザー、子供2人(小学生)
・職業:パート・アルバイト
・居住形態:賃貸
・手取りの世帯月収:15~22万円
・毎月の支出目安:13万円(カードローンとクレジットカードの返済がなければ)
花輪: 気軽に馴染みの銀行から借りることができるカードローンが癖になっているという人もいます。しかし、借り癖がついてしまうと家計が自転車操業になってしまいます。
「お給料→ローンの支払い→その月の支払い→足りないとローン」という流れができてしまうのです。お給料が振り込まれると真っ先に過去の支払いであるローン返済にお金が消えます。
その月に使えるお金はその分少なくなり、日々の食費を節約してもなかなか貯金はできません。そして、子供の学校にかかる費用など臨時的な支出があると、またローンを組んでしまうことになります。また、利息も数%~15%前後と高めです。利息の支払いが非常にもったいないのです。
負の連鎖を断ち切るには?
この負の連鎖を断ち切るためにも、一念発起をしてローンをなくしてしまいましょう。
もし、学資保険など保険の解約返戻金があるならば、それを解約して借金返済に回す、あるいは契約者貸付を利用してローンを返済するのも手です。
契約者貸付とは、契約をしている生命保険の解約返戻金の一定範囲内で貸し付けを受けることができる制度です。契約者貸付を受けている間も、基本的に保障は変わりなく継続します。貸付金には所定の利息が付きますが、銀行カードローンやクレジットカードのキャッシングやリボ払いに比べると通常は低利です。
次に、公的融資を受ける方法があります。
たとえば、母子父子寡婦福祉資金貸付という制度があり、母子家庭及び父子家庭、並びに寡婦の家庭に対し、経済的自立の援助、及び生活意欲の向上を図り、併せて、その扶養している児童・子の福祉を増進させることを目的として、各種資金の貸付けを行います。
お住いの市町村の福祉事務所の相談窓口などに問い合わせてみてはいかがでしょうか。公的融資を受けられる場合も、一般に低利で借りることができます。
自分が持っている資産、公的融資、そして家族などからの貸付を利用して、今ある借金を完済させることができると理想的です。
「貯めてから使う」将来の家族を守るマネースタイル
生活費の借金は、積み重なると膨らみやすいものです。気づけば600万円も借金があったという話も身近に聞きます。
しかし、自分の収入で返済できる借金には限度があります。一定額以上に膨らむと、従来の仕事だけでは返済しきれなくなる場合もあります。
借入限度額の目安は、手取り年収の1/4(住宅ローンなどは除く)程度です。これでも金利15%以内なら何とか返済可能というギリギリのラインです。
収入が少なければ少ないほど、借金を抱えるリスクは大きくなります。「貯めてから使う」というマネースタイルは、自分と将来の家族を守る、大切な生活習慣でもあるのです。
手取りの世帯月収が15~22万円で、毎月の支出目安が13万円ということなので、カードローンとクレジットカードの返済がなければ、収入の範囲内で生活ができるはずです。まずは、借金を整理してから家計を立て直しましょう。
自分では解決させるのが難しい場合は、専門家に相談をするのも1つの手です。家計の見直しはファイナンシャルプランナーに、法律のことは弁護士や司法書士に聞くと良いでしょう。日本FP協会ではFPの無料相談体験や電話相談もできますし、法律のことは法テラスに問い合わせてみるのも手でしょう。