はじめに

縮小するブライダル・マーケット

先の経済産業省の統計によれば、結婚式場業の取扱件数や売上高は減少傾向。直近の3年間の状況だけを見ても、取扱件数も売上高も1割近く減少しています。

少子化で若者の人数が減っている上に、未婚化が進行しています。総務省「国勢調査」によれば、2015年に生涯未婚率は男性23.4%、女性14.1%に達し、日本は男性の4人に1人、女性の7人に1人は生涯未婚という世の中になりました。そこに「ジミ婚」や「スマ婚」の影響も加わり、ブライダル・マーケットは縮小しているのでしょう。

結婚の障壁はお金と出会い

さて、未婚者が結婚しない理由は何でしょうか。国立社会保障人口問題研究所「平成27年出生動向基本調査」によると、結婚の希望がある18~34歳の未婚者に、1年以内に結婚するとしたら何が障害かをたずねると、男女とも1位は「結婚資金」です。

一方で、独身でいる理由の1位は、18~24歳では男性は「まだ若すぎる」、女性は「仕事(学業)にうちこみたい」ですが、25~34歳では男女とも「適当な相手にめぐりあわない」となっています。つまり、結婚を考えた場合の障害はお金ですが、その前に、そもそも出会いがないことが問題のようです。

結婚につながる出会いがない原因としては、地域や職場での人間関係が希薄化し見合い結婚が減ったこと、非正規雇用者が増えるなど雇用環境が変わることで、職場での出会いが減ったことなどがあるのかもしれません。また、未婚化が進行することで「おひとりさま」が生きやすい世の中になった影響もあるでしょう。

ブライダル・マーケットの活路

政府の「ニッポン1億総活躍プラン」では、希望出生率1.8の実現に向けて、若者の婚活支援も盛り込んでいます。すでに取り組んでいる企業もありますが、ブライダル・マーケットの活路もここが重要です。例えば、平日の夜に使われていない式場やチャペルを街コンイベントの会場として使うなど、結婚式だけでなく出会いのプロデュースも行うようにすれば、式場運営の面からも顧客獲得の面からも効率的。また、話題性もあります。

ブライダル・マーケットのように、人を幸せにする業界が息を吹き返すことは、日本の消費市場全体が活気づく良い刺激になるのではないでしょうか。

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