はじめに

猛暑日が多いと株価にマイナス

そこで、もう少し、掘り下げて考えてみましょう。

7月とはいえ、今年は30度を超える真夏日が多くなっています。気象庁は35度を超えると“猛暑日”といいますが、東京でも7月14日に35.4度の猛暑日を記録しました。

こう暑いと、各種報道では「こまめな水分・塩分補給や適度に冷房を使うなど、熱中症対策」への注意喚起が行われますが、それだけでもありません。「強い日差しの時間帯の外出を控えてほしい」などとまで言われ始めます。

あまりにも暑すぎると、休日も出かけずに、自宅でノンビリする方も少なくないでしょう。そうなると、外出して買い物をすることも減ったり、外で食事もしなくなります。これは、景気にはマイナスです。

そこで、真夏日の代わりに猛暑日を使って分類して、8月の日経平均の騰落率を平均しました。さすがに猛暑日ですから、8月の暑い盛りとはいえ、それほど多くの日数はありません。そこで、2日以上の猛暑日があった“極度に暑すぎる”8月の騰落率を平均しました。

平均が▲2.07%となり、勝率も25%です。極度に暑すぎる8月は4年に1回しか上昇していません。夏は暑いほうが消費面でプラスといわれますが、余りにも暑すぎると逆にブレーキになり、株価も低調になるのでしょう。

今年の8月相場はどうなる?

この結果も考慮して、表1を作り直しました。過去の8月で真夏日ですが、猛暑日を除いて日数を数えました。表3で、極度に暑すぎる日を除いた、特に暑い日が26日以上の場合の日経平均は2.29%とプラスになっています。

分析結果から「極度に暑すぎない、特に暑い夏の株価は高い」という結論になりました。さて、今年の8月の暑さはどうなるでしょうか?

気象庁は8月からの3ヵ月予測を7月25日頃に発表予定です。1ヵ月前の 6月25日に公表された、7月からの3ヵ月予測では、「8月の関東甲信越は平年並みか高い」となっていましたので、更新される発表は注目です。

ただ、去年を思い返してみましょう。7月段階で各種天気の予測情報では、8月は2010年にも近いような猛暑が予想されていました。しかしフタを開けてみると、東京では8月1日から21 日連続の雨で、猛暑でなく、表3の分類では普通に「暑い」夏でした。

今年ですが、東京で初めて6月に梅雨が明けるなど、季節が前倒ししていることもあり、暑さのピークも同じように前倒しされているとの見方もあります。7月が暑すぎる分、その暑さも峠を越えて「極度に暑すぎない、特に暑い8月」の景気や相場を期待したいところです。

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