はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。
保険外交員という職業柄、漠然と将来のために毎月積立をしていますが、少しずつ積立商品を増やしていったら、月々でみるとかなりの額になってしまいました。この資産形成が、はたして今の自分に合っているのか、最近疑問に感じてきたので、よいアドバイスがあれば教えていただきたいです。現在の資産の内訳や、ざっくりとした生活費などは以下の通りです。
・積立保険:(円建て)約7.5万円、(ドル建て)約3.5万円
・年金保険:(円建て)約0.7万円
・投資信託:10万円
・財形貯蓄:5万円
・仕送り:6万円
・携帯代や交際費等:約20万円
〈相談者プロフィール〉
・男性、32歳、未婚
・職業:会社員(保険外交員)
・居住形態:実家暮らし
・居住地:千葉県
・手取りの世帯月収:平均80万円(ボーナス含む)
・毎月の支出目安:50万円
・総資産額:1,500万円
花輪: ご職業柄致し方ないと思いますが、保険の割合がやや高めだと感じます。
換金しやすい資産も合わせてバランスを整えて
釈迦に説法ですが、貯蓄性の高い保険の欠点として早期解約リスクがあります。その反面、引き出しにくいので手を出しにくく貯まりやすいというメリットもあります。
近い将来にお金がかかるライフイベントが発生しないのであれば、貯蓄型保険や財形などで老後資金を貯めるのも問題はないでしょう。
積み立てる前に資産配分の設計図を
資産運用の9割はアセットアロケーションで決まると言われています。アセットアロケーションとは運用する資金を「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」など、どのような配分で投資するのかを決めることを言いますが、こうした大きな設計図を立てずに商品を買い増ししていないでしょうか。
最初に設計図を書いておけば、あとは迷いなく実行するだけ(定期的にリバランスを行えばよい)になるので、アセットアロケーションをしっかり考えることをおすすめします。
保険商品の購入も仕事なら致し方なし
とはいえ、収入も貯金もしっかりあるのはとてもよいことです。親に仕送りをしていらっしゃるようですが、将来、親に介護が必要になった場合、どのようなプランを考えているかなど計画を立てるとよいかもしれません。
施設に入る場合は多額のお金がかかる場合もありますし、在宅介護の場合は人手も必要になります。親や自分自身の老後のことを考えると、お金で備えた方がよいのでこのペースで貯蓄を増やしていってください。
携帯代や交際費はやや多めなので見直す余地がありますが、仕事の必要経費であれば問題ない範囲です。また、保険商品の購入も仕事のためであれば、ある程度多くても致し方ないかなと感じます。