妊娠・出産

不妊治療の当事者「相談できる人がいない」ことが一番つらい

出産後も不妊治療のことで悩みが続く

出産後も不妊治療のことで悩む

最近では、治療前や治療中だけでなく、治療をして無事に出産した後に子育てに悩んで相談にくるケースも増えていると松本さんは言います。

「実は、不妊治療を経て子育てをしている人には、また違う種類の悩みがあるのです」。

例えば、子供が泣いてグズると、誰しもイラッとしたり、うるさいと感じるもの。ところが、「あんなに苦しい不妊治療をしてまで欲しかった子供なのに、憎いと思ってしまうなんて……」と思い悩んでしまう人が少なくないそうです。

それまで一緒に不妊治療をし、相談し合っていた友人がいても、自分が先に妊娠・出産した場合、その人には相談しづらい。しかし、普通に妊娠・出産したママ友には、そもそも不妊治療をして授かったことすら話せない。

「マイノリティーの中の、さらにマイノリティーな悩みとも言えるかもしれません。孤立もしがちなんですね。ですから、不妊治療の当事者はとにかく一人で抱え込まないでほしい。一人で抱え込むとますます周囲から孤立し、理解もされず、誤解を生むことにもなります。5.5組に1組が不妊に悩む今、周りに一人か二人は経験者はいるので、勇気をもって話してみると、きっと理解者は要ると思います。もし、どうしても誰も話す人がいなければぜひ専門家を気軽に頼ってほしい」と松本さんは提案します。

現在、Fineでは妊娠・出産後のサポート体制の強化にも力を入れているといいます。

「相談することで、とにかく話しを聞いてもらって思考の整理に役立ててもらう。そうすれば、お金の問題だと思っていたことが、実は夫との仲がうまくいっていないことが根本原因にあったり、母親との関係に問題があることなど、自分でも思ってもいなかった問題や解決策が見つかることがあります」。

■前半:不妊治療のやめ時はいつなのか?深刻度増す「お金の問題」

松本亜樹子(まつもと・あきこ)
NPO法人Fine理事長。不妊の経験をきっかけに、同じく不妊に悩む仲間とFineを設立。患者団体であると同時に「現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会」として、不妊に対して理解のある社会、当事者の生きやすい環境整備の実現を目指す。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版発行)。

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