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諭吉、ウラシロ、ジャイアンツ、紙幣の通称いろいろ

お金のことば31:紙幣の通称

米ドルの紙幣を「greenbacks」(グリーンバックス)と呼ぶことがあります。これはかつてドル紙幣の裏面が緑色で印刷されていた名残なのだそう。このように紙幣は通称で呼ばれる機会も多いわけです。そこで今回は「紙幣の通称」のいろいろについて紹介してみることにしましょう。なお今回紹介する通称は、日本円、米ドル、英ポンドの3通貨のみとします。


額面に基づく通称(1)スコアと羊飼い

紙幣の通称として最も基本的なパターンは「額面」をベースにした呼称ではないでしょうか。日本円でいうところの「万札」(まんさつ:1万円紙幣)のような呼び方です。

まず米ドルの場合は、10ドル札の「tenner」(テナー:10を意味するtenに、くだけたニュアンスを付け加える-erが加わった形)、100ドル札の「C-note」(シーノート:Cはローマ数字で100の意味)、そしてあまり市中には出回らないお札ですが1000ドル札の「K」(ケイ:1000を意味するkiro-の省略形)といった通称があります。また英ポンドの場合も、10ポンド札の「tenner」や、5ポンドまたは15ポンド札を表す「fiver」(ファイバー:fiveにやはり-erが加わった形)といった通称がありました。

このような額面系の通称の中には少し凝ったものもあります。例えば米ドルの10ドル札には「sawbuck」(ソーバック)という通称があります。これを直訳すると「木挽台」(こびきだい=のこぎりで木材を切るための台)という意味。木挽台を横から見たときの姿が、アルファベットのXに似ていることが由来です。Xといえば、ローマ数字では10を意味しますね。その応用で、20ドル紙幣は「double sawbuck」(ダブルソーバック)と呼びます。

また英ポンドの20ポンド紙幣には「score」(スコア)という通称もあります。このscoreは、スポーツやゲームに登場するscore(得点)と一緒なのですが、実は20という意味もあります。語源は古ノルド語(古いスカンジナビアの言葉)において「切り込み」を意味するskor。羊飼いが羊を数える際、手と足の指で数えて20頭になったところで棒に切り込みを入れたことから「20の組」をscoreと呼ぶようになったそうです。

額面に基づく通称(2)ラージでジャイアント

額面をベースにはしているものの、具体的な金額ではなく「規模感」を表現した通称も存在します。日本円の紙幣でいうところの「大1枚と小3枚」(1万円札が1枚と、1,000円札が3枚)のような表現のことです。

例えば米ドルの1,000ドル札には「large」(ラージ:大きい意)や「stack」(スタック:積み重ねてあるもの)という通称があります。stackは日本語でいう「一山」(ひとやま)みたいなニュアンスかもしれませんね。

一方、英ポンドには、一般流通がない特殊な紙幣ではあるものの、100万ポンド札(執筆時レートで約1.5億円)を意味する「Giants」(ジャイアンツ)、さらに1億ポンド札(同150億円)を意味する「Titans」(タイタンズ)という通称もあります。タイタンは巨神を由来とする言葉で、土星の英語名としても有名ですよね。この場合は、大きいものぐらいの意味なのでしょう。

ちなみに紙幣ではなくて「硬貨」の通称という話になると、今度は「額面がどれだけ小さいか」を表現する方向に変化するのですが、その話は次回紹介することにしましょう。

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