はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。
クレジットカードのリボ払い残高が総額60万円程あります。リボ払いの手数料が15%近くかかっているようです。最近はクレジットカードの利用を控え、返済を続けているのですが、なかなか減りません……。銀行が取り扱っているフリーローンを利用して、一度リボ払いを全額返済し、銀行に定額返済をしていった方がいいのではないかと考えています。もうすぐ、結婚も控えているので何かアドバイスがいただけないでしょうか。
〈相談者プロフィール〉
・女性、30歳、未婚(もうすぐ結婚予定)
・職業:会社員
・居住形態:実家暮らし
・手取りの世帯月収:16万円
・毎月の支出目安:12万円
花輪: ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。今はFPをしている私ですが、20代の時にリボの残債が200万円に膨らんだ経験があります。
おっしゃられる通り、リボの金利は15%程度です。しかも、時間の経過とともに借金が雪だるま式に増える「複利計算」になっています。借り入れた元金にだけ利息がかかる「単利」とは違い、「複利」の場合は元本とその利息に対して利息がかかるのです。
手数料という名の「利息」
具体的に数字を使って考えていきましょう。
たとえば、3万円のお財布を年利15%のリボ払いで購入するとします。毎月の返済額を5,000円とすると、支払額の内訳は以下のようになります。
(※2018年1月1日に買い物をした場合)
1ヵ月目:5,000円(元金)+320円(手数料)
2ヵ月目:5,000円(元金)+287円(手数料)……
そうすると6カ月かけて返済する総額は3万1,233円になります。手数料という名の下の利息だけで1,233円もかかったことになります。さらに返済が長期化したり、高額化すると、手数料はどんどん膨らんでしまうのです。
いかにクレカをコントロールできるか
リボが積み上がりがちで返済が進みにくいことも、リボ払いが恐ろしい理由のひとつに挙げられます。
毎月、最低返済額だけを返済しているとなかなか元金は減りません。月5,000円を返済し、4ヵ月かけて元金2万円を返し終えた直後に、新しく2万円の買い物をリボでしてしまったら、また逆戻り。一向に返済が進みません。リボの総額が一体いくらになっているのか分からないという人もたくさんいます。
家賃も保険料もすべてカード払いにできるなど、後払いが当たり前になっている現代社会では、クレジットカードをいかにコントロールするかが資産を作るカギになります。
借り換えは金利の高いところから低いところへ
クレジットカードのリボ払いから、銀行のカードローンに借り換えた方が金利を削減できる場合もあります。
ただ、100万円未満だと14%近くの金利を提示している金融機関もあるので、手間暇と金利削減効果を天秤にかける必要があります。借り換えを考えている金融機関に相談をしてみるものひとつでしょう。
また、法律のことで困っている場合は「法テラス」に、お金全般の相談をしたい場合は日本FP協会の初回無料相談を活用するのも手かもしれません。いずれにせよ、問題が大きくなる前に専門家に相談をするなりして解決できるとよいですね。