はじめに
少ない資産を追加で買うか、多い資産の一部を売るか
リバランスの方法には、大きく分けて2種類あります。
例:投信Aと投信Bをともに100万円ずつ購入。あるとき、投信Aが値上がりして110万円になり、投信Bは100万円のままというときのリバランスの方法
(1) 投信Bを追加で購入する
この例では、投信Aと投信Bの当初の配分比率が50:50になっています。ところが、投信Aが値上がりしたおかげで、資産に占める投信Aの配分比率のほうが大きくなりました。
この配分比率を50:50に戻すためにまず思いつくのは、投信Bを10万円分追加で購入することではないでしょうか。こうすれば、投信Aも投信Bも110万円ずつとなりますから、配分比率も50:50に戻ることになります。
この方法のメリットは、投資資産の総額がもっとも大きくなるため、投資の効率がよくなることです。一方、値上がりした分だけ投資信託を買うため、お金に余裕がないときは少々大変でしょう。
(2) 投信Aを売却する
(1)とは逆に、配分比率が大きくなった投信Aを売却(一部解約)する方法もあります。投信Aを10万円分売却すれば、2つの投資信託はともに100万円ずつになるので、配分比率も50:50に戻ります。
また、投資効率を考えれば、元本は大きいに越したことをはありませんから、投信Aを5万円分売却して、そのお金で投信Bを買ってもいいでしょう。この場合、2つの投資信託はともに105万円ずつ。つまり、配分比率も50:50だというわけです。
この方法のメリットは、(1)とは違って追加のお金が不要だということです。しかし、投信Aの一部を売却するため、利益に対して20.315%の税金がかかってしまいます。また、投信によっては信託財産留保額という、解約時の手数料がかかってくる場合もあります。
どちらの方法にも長短ありますが、お金を増やす観点で考えれば、税金や手数料が少ない分、(1)の買い増しの方が有利になることが多いでしょう。