ドナルド・トランプ大統領の仕掛ける貿易戦争が世界景気に悪影響を及ぼすことが懸念されています。私は、日本株は割安で、長期的に上昇トレンドをたどると予想していますが、短期的には下値リスクが払拭できません。このような時に長期投資を始めるには、どうしたら良いでしょうか。

2つの方法が考えられます。1つは、日経平均インデックスファンドに毎月一定額(たとえば1万円)を投資していく「積み立て投資」。もう1つが「REIT(上場不動産投資信託)」から投資を始める手法です。

今回は、分配金利回りが平均約4.1%と魅力的で、東京証券取引所に上場しているREITについて解説します。


不動産への小口投資を可能にしたREIT

アベノミクスが始まった2013年以降、景気回復と異次元金融緩和の効果で不動産需給が改善しました。今、都市部は不動産ブームの様相を呈しています。

不動産市況はブームと下落を繰り返しています。2005年から2007年にかけて「不動産ミニバブル」と言われるブームがありました。ところが、2008年にミニバブルは崩壊。その後、しばらく不動産市況は低迷しましたが、2014年に底打ちし、足元では新たなブームに入っています。

一方、現在は一等地の大型ビルにテナントが集中し、競争力のないビルからテナントが流出する「不動産の二極化」が顕著にみられる時代でもあります。投資するなら一等地の大型ビルに投資したいと考えるほうが自然です。

とはいえ、一等地の大型ビルに投資するには何百億円という規模の資金が必要。個人投資家の不動産投資では資金に限界があるため、小口で投資できるマンションなどが中心になり、大型ビルへの投資は困難です。

しかし、REITを通じて投資すれば、都心一等地の大型ビルに投資することもできます。REITは証券取引所に上場されていて、一般の株式と同じように売り買い可能。最低売買単位での投資額は10万円以下から100万円超まで、いろいろあります。

利回りと投資妙味の関係を考える

REITには、さまざまな種類があります。もともとはオフィスビルなどに投資するファンドでしたが、近年は利回りが稼げるさまざまなものに投資されています。代表的な種類とファンドは以下の通りです。

上の代表銘柄は、分配金利回りの低いものから順に並べています。このような表を見ると、利回りの高いものほど有望で、利回りが相対的に低いものが魅力ないと考える方もいますが、必ずしもそうではありません。

一般的に、利回りが高いファンドほど、将来、分配金が引き下げられるリスクが高く、利回りが低いファンドほど、分配金が引き下げられるリスクが低いといえます。十分な投資資金があるならば、利回りが高いファンドと低いファンドに分散投資することが望ましいです。

東証に上場しているJ-REITの中で2枚看板といえるのが、主に都心の一等地のオフィスビルに投資するファンド。三井不動産などが母体となった「日本ビルファンド」と、三菱地所などがスポンサーとなっている「ジャパンリアルエステイト」です。

いずれも分配金利回りは3%強と、東証REITの平均分配金利回り4.1%よりも低くなっていますが、長期投資のコアとして投資するに適格と判断しています。