人気の授業は「お金の使い方」

例年、学校からの依頼で多いのは、「お金を稼ぐ」「ライフプランとお金」についてです。最近は進学校の生徒たちも大学合格がゴールではなく「将来、大学を卒業した後にどういう働き方をしたいのか」と先まで見据えて進学先を決める傾向があるといいます。

なので、将来を見据え「働く事の意義から人生設計のためのお金について」までを授業に織り込むそうです。

一方、卒業後、就職をする生徒が多い高校では、給与明細の見方や就職後の一人暮らしにかかるお金など、より実践的な内容になります。アルバイトをしている学生が多い場合は、アルバイトでもらう明細書を読めるようになるところから「お金を稼ぐこと」について教えます。

また最近は、「お金を使うこと」を教えて欲しいという依頼も増えています。ニーズとウォンツ、つまり「必要なもの」と「欲しいもの」をきちんと区別しようという考え方です。必要だから買うのか、単に欲しいだけなのかを考えてもらいます。

たとえば、コンビニに行って飲み物を買うとき「本当に必要なのか、家から水筒をもってくればお金がかからないのではないか、一旦考えてみよう」と具体例を交えて、お金の使い方を話しています。

「高校生の年齢だと、お小遣いやバイト料などが手元に入ると、すぐに“欲しい、買いたい”となってしまいます。買う前に一呼吸置いて、本当に必要なのか、ただ欲しいのか考えてみようということを教えています」(日本FP協会)

お金のトラブルに巻き込まれないために

やはり、先生や親が心配なのは、お金のトラブルに関することでしょう。生徒たちにとっては、少し怖い話ですが、「女子は怖い話が好きなのか興味津々で聞いてくれますね。寝ている生徒はほとんどいません」(竹谷さん)

ネットでの買い物や携帯の架空請求、クレジットカードのリボ払いなども授業で話します。

竹谷さんによると、真面目な子供ほど被害に遭いやすいので注意しなければならないといいます。

「たとえば、ネットの架空請求が来た場合、真面目な子ほど親に迷惑をかけたくないと、隠れてアルバイトをしたり自分で解決しようとします。何度も請求が来てから親が知るというケースも珍しくありません。本来は支払わなくていいお金だということ、そして一番大事なことは、まず最初に親や身近な大人に相談することだと教えています」

先生や保護者から「自分もこんな授業を受けたかった」の声

授業後、先生や保護者から圧倒的に多い感想は「お金の授業なんて私たちの時代にはなかった。あったら絶対に受けたかった!」という声だそうです。確かに、私たち親世代が学校でお金について学ぶことは、ほとんどなかったと言ってよいでしょう。

生徒たちからの感想も「いつも親にお金をもらってもすぐに使ってしまっていたので、将来のことも考えて少しでも貯金できるようにしたいです」

「今、教習所に通っていますが、自動車を購入するとこんなにもたくさんのお金がかかることを知りました。また、若いうちだと事故を起こしたり事故に遭う確率が高いので、保険に入ることも考えなければいけないと思いました」と自分の身近な事に照らし合わせて理解を深めていることが印象的です。

「現代は、親世代と比べてお金のトラブルに巻き込まれる機会が増えているのは事実です。これからは、何かしら子供の時からお金に関する経験をしておくことが大切です」(竹谷さん)

日頃から、家庭と学校を通してお金に関して関心を持つことが「18歳成人」の備えになるのではないでしょうか。

(文:編集部 村上亜紗子)