はじめに
「これはピザを運ぶ車を作っている車屋さん、こっちが車のガラスを作っているガラス屋さん、ガラスは家電にも使われるので家電屋さんともつながっています。仕入れる時にはお金が必要なので、銀行ともつながっています」
レゴで作った街並みを前にして、子供たちは自分たちが作った店舗について説明します。それに対して、他のグループの子供が質問を投げかけます。
「ここにいるゾウは何ですか」「このゾウは銀行を警備しています」
子供たちの自由な発想に、思わず笑いがこみ上げます。実はこれ、不動産大手の森ビルが主催する「六本木ヒルズ キッズワークショップ 2018」の1コマ。この日はマネックス証券と、eラーニングなどを手掛けるミテモが企画した「レゴをつかって楽しくつくるお仕事マップ!」という講座が開かれていました。
レゴを使って子供たちはどんなことを学んだのでしょうか。最新の金融教育の気になる中身を体験してみました。
ピザ屋さんを中心に街並みを作る
7月27日に開催されたこの講座に参加したのは、小学4~6年生の男女18人。4つのグループに分かれ、子供4~5人とマネックスの社員1人が各テーブルに着席しました。
この日の企画のテーマは、街の中心にピザ屋さんを置いて、それにまつわる仕事を結び付けていくことで、街全体がどうやって成り立ち、お金がどうやって使われているのか、みんなで考えてみよう、というものです。
まず初めは、アイスブレイク代わりの自己紹介タイム。部屋の中央に置かれたレゴブロック置き場から10秒間で自分の好きなブロックを選んで自席に戻り、呼んでもらいたいニックネームと学年、自分が選んだブロックの好きなところを話す、という内容です。
各自の持ち時間は30秒。「このブロックが好きなのは、見たことがないピンク色だからです」。レゴをきっかけにして、和気あいあいとした雰囲気が広がっていきます。
連想ゲームで仕事をつなげる
空気がなごんだところで、いよいよ本格的な作業に取り掛かります。テーブルの中央に置かれたピザ屋さんの周りに、つながりのありそうな仕事を2~3つ、各人が作っていきます。他の人にもわかるよう、付箋に仕事の名前を書いて、完成させたレゴに1つずつ貼り付けます。
ピザの食材を作る農家、ピザ屋で使う電化製品を作る会社……。10分間の制限時間の間に、さまざまな仕事ができ上っていきます。
続いての10分間では、さきほど作った3つの仕事の周りに、さらにつながりのある仕事を1人当たり2~3つ作っていきます。仕事名を書いた付箋を貼るのも、さきほどと同様。グループの仲間と相談して、つながりのありそうな仕事同士をチューブのようなパーツでつなげていきます。
「ガソリンスタンドと関係があるのは?」「石油を掘る会社!」「CMを作る会社!」。1つの仕事を起点にして、次々と関係のある仕事がつなげられていきます。