はじめに

2016年11月9日は歴史的な一日となりました。トランプ大統領の誕生です。

この日の日経平均は、投開票でクリントン優勢が伝わると上げ、トランプ優勢が伝わると下げという、トランプ大統領=悪材料という動きをしていました。ネット上では午前中にもトランプ大統領ほぼ確定というニュースが流れ、日経平均は一時1,000円以上の大暴落。

ここまでの動きは、6月の「ブレグジット」英国国民投票とあまりにも似ていました。ただ、この後が違います。誰も予想できなかった動きとは、そして、勃興するトランプ関連銘柄とは——。


トランプ大統領誕生でNYダウは歴史上最高値更新

日経平均が1,000円の大暴落をした9日のNYダウは、大方の予想に反して大幅上昇。明けて10日の日経平均も1,092円と今年最大の上昇幅を記録しました。市場関係者は口をそろえて言います。「あの1,000円下げは何だったんだ」と。

※出典:ヤフーファイナンスアプリ

まさかの事態に不安が増幅され1,000円の下げ、ただ、震源地であるアメリカではトランプ大統領の経済政策「トランプノミクス」への期待が高まりNYダウは上昇し、10日にはなんと史上最高値を更新しました。トランプ大統領の誕生で歴史上最も高い株価を付けたことになります。

※出典:ヤフーファイナンスアプリ

日本市場も高値を追いかけています。その中でもトランプ大統領誕生に反応したトランプ関連銘柄をご紹介します。

いち早く反応したのが“防衛関連株”

ネット上でトランプほぼ確実かと伝わった午前11時過ぎから急速に値を上げてきた銘柄群があります。

石川製作所(証券コード6208)、細谷火工(4274)、東京計器(7721)、豊和工業(6203)、日本アビオニクス(6946)などなど、防衛や軍需関連株の一角と言われる銘柄たちです。

※出典:ヤフーファイナンスアプリ

トランプ大統領はかねてより日本に対し「自分の国は自分で守れ、米が守るなら金よこせ」的な発言を繰り返しており、今後、日本は自衛の道を歩き始めるのではという見方があります。国防予算の増額で恩恵を受ける銘柄が、いち早く物色された格好です。

今後、安全保障に関する話題が挙がりやすくなるので同銘柄群が動くことが予想され、先取りで仕込んでおこうという動きだと思います。

東証1部など主力株に資金が戻っているので、防衛関連の上昇が長続きしていませんが、トランプ大統領の誕生に最も早く反応した関連銘柄として監視してもいいと思います。

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