読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。


金融資産が500万円を超えたため、不動産投資を検討しています。何冊か書籍を読み、東京23区内に絞って投資を検討しております。予算は頭金で500万円程度を投入し、残りは借入を検討してます。他の借入はありません(自宅未保有)。物件価格の目安は1,000万~1,500万円を考えています。以下の点についてご教示願います。

(1)業者の選定方法について(大手がいいのか、専門業者がいいのか)
(2)物件を内見する際の注意点
(3)昭和56年の耐震基準改正以降の注意点
(4)固定資産税などコスト控除後の利回りの目安(5%程度で考えています)
(5)20~30平米の物件を検討しています
(男性、30代後半、既婚、子どもなし)

内藤: 国内の不動産に関しては、立地と価格に関して充分な情報が得られますから、情報を丹念に収集して、意思決定を行うことをおすすめします。

物件価格に応じた業者の選定を

まず、(1)業者の選定に関してですが、大手の会社の方が幅広く物件を取り揃えていますが、ご質問者のようにワンルームに絞って検討している場合は、専門業者の方がきめ細かく対応をしてもらえます。

大手の不動産会社の場合、1,500万円程度の売買金額の取引はあまり大きな金額とはいえず、積極的に物件の案内などをやってもらえない可能性もあります。

各社が独自に持っている物件もありますから、まずは自分が信頼できると思ういくつかの業者に希望を言って、物件を紹介してもらうのが良いでしょう。

賃貸に出すなら立地を重視

続いて(2)物件についてですが、既にテナントが入っているような中古物件は、テナントに貸し出しをしたまま購入になりますから内覧はできません。ただ、既にテナントが入っている物件を購入した方が、家賃収入がすぐに得られるというメリットがあります。

賃貸物件に関しては、内覧よりも立地(どのエリアにあるか、駅から近いか、周囲の環境や利便性)をチェックした方が良いでしょう。

(3)耐震基準については、新耐震基準を満たしている物件を購入するのが原則です。必ず確認しておきたいポイントです。ただ、大規模修繕などで耐震性が高まった物件は割安に購入できる可能性があります。

また、(4)利回りに関しては、港区、中央区などの都心であれば5%台半ば、23区でも少し郊外になると5~6%前後が現状の相場になります。利回りが高いということは、それに見合った立地になります。周囲の物件と比較をしておくことが大切です。

物件の広さはエリア属性を考慮して

(5)物件の広さですが、これは需要と供給で考えていくべきです。

エリアによって、住んでいる人のプロフィールが変わってきますから、自分が投資しようとしているエリアがどのような属性の人に向いているのかを確認しましょう。また、周辺に類似の物件が数多くあれば、それだけ需給が悪化することになります。現地を見てから最終的に物件を選択することが必須です。

また、購入に当たってローンを使う場合、固定か変動か、あるいは借入期間や金利など金融機関によって大きく変わってきます。借り入れ条件についても、専門的な知識のある担当者に相談する必要があります。

不動産投資には長期的な戦略が不可欠

不動産投資は物件だけではなく、購入時のファイナンス、購入後の管理、さらには将来の売却までを視野に入れて、長期的な戦略を立てて進めるべきです。仲介業者に頼りきるのではなく、第3者のアドバイスを得ることもプラスになるでしょう。

当社にも不動産投資物件を購入する前に相談に来る方が増えています。不動産投資の長期的な戦略を考えることで、成功の可能性をより高めることができると思います。