熊本県と鹿児島県を走る肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」が火付け役になったというのが、列車内で本格的な食事を味わえる「レストラン列車」です。

首都圏では、いすみ鉄道「レストラン・キハ」、交通の便が良いしなの鉄道「ろくもん」に続き、池袋・西武新宿~西武秩父間を結ぶ西武鉄道「西武 旅するレストラン52席の至福」、小田原~伊豆急下田間を結ぶJR東日本「IZU CRAILE(伊豆クレイル)」、伊東~伊豆急下田間を結ぶ伊豆急行「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」など、魅力あふれる列車が登場しています。

今回は千葉県の大原~上総中野間を走るいすみ鉄道「レストラン・キハ」と長野県の軽井沢~長野間を走るしなの鉄道「ろくもん」をご案内します。


昭和の気動車が魅力の「レストラン・キハ」

外房線大原駅と小湊鉄道が接続する上総中野駅を結ぶのが、国鉄木原線の第三セクター化で誕生した「いすみ鉄道」です。

当初は地元の通勤・通学客が利用するのみのローカル線でしたが、一般公募により航空会社に勤務していた鳥塚亮氏が就任すると、ムーミン列車の運行や昭和の気動車の導入、地元の協力による駅弁販売など、観光鉄道として脚光を浴びるようになりました。

いすみ鉄道の昭和の気動車とは、昭和30~40年代に国鉄が製造した急行用(キハ28形)とローカル用(キハ52形)の2両で、全国唯一の現役車両として今も活躍しているものです。この車両の導入に合わせて企画されたのがレストラン列車で、キハ28形のボックスシートおよび車端部に大型テーブルを設置し、車内で料理やお酒を楽しめるようにしました。

その名も気動車の形式名キハから付けられた「レストラン・キハ」で、車内に一歩入ると昭和の時代の懐かしい光景を楽しむことができます。なお、同車両は50年以上も現役で活躍しているため、車両整備の都合で「ムーミン列車」で運行されることもあります。

 レストラン・キハ

 レストラン・キハ車内

何時なくなるかわからない車両ですので、昭和レトロも合わせて楽しみたい場合は早めの乗車が良いでしょう。

伊勢海老特急お刺身列車コース&イタリアンコース

いすみ鉄道の「レストラン・キハ」は土曜・日曜を中心に運行されていますが、運行される月や曜日によって「伊勢海老特急・お刺身列車コース」「伊勢海老特急・イタリアンコース」「伊勢海老特急・お箸DEイタリアン」の基本3列車のいずれかとなります。

「お刺身列車コース」は、いすみ市の旅の宿「九十九里ヴィラそとぼう」の料理長が腕を振るった、地元の伊勢海老、アワビ、サザエをはじめとする新鮮な魚介類と房総半島独特の「なめろう」を舟盛りのように豪快に盛り付けた料理と地酒・ビールなどを堪能できるものです。

 お刺身列車コース

また、「イタリアンコース」および「お箸DEイタリアン」は茂原のイタリアンレストラン「ペッシェ アズーロ ~青い魚~」のシェフが、伊勢海老やアワビなど外房の素材を使用して腕を振るった、本格イタリアンランチと赤・白ワインなどを堪能できるものです。

運行時刻は、大多喜駅発11時~大原駅~上総中野駅~大多喜駅着13時32分で、里山風景などが車窓に楽しめる全区間を走行します。料金にはいすみ鉄道の急行券付一日乗車券やお土産がセットになっており、この列車の乗車後は沿線の各駅で下車して観光も楽しめるというものです。

運行日・料金・予約方法など、詳細はいすみ鉄道ホームページ「レストラン・キハ」を参照してください。