はじめに

東京ミッドタウンに、六本木ヒルズ……。空気が乾燥してくる秋から冬にかけて、東京都心では大勢の観客を集める、ロマンチックなイルミネーションイベントが数多く催されます。

その中に今年、新たな目玉イベントが加わります。品川区にある大井競馬場で10月から開催される「TOKYO MEGA ILLUMINATION(トーキョー・メガ・イルミネーション)」です。

使用される電球は約800万球と関東最大規模。これだけの規模のイルミネーションイベントを競馬場で開催するのは世界初だといいます。

見どころはどこなのでしょうか。そして、このイベントを開催する狙いはどこにあるのでしょうか。


ナイター競馬開催以来の大事業

「1986年に日本初のナイター競馬を実施して以来の大規模な事業。ナイター競馬が競馬をレジャーに変えていったように、今回のイルミネーションが大井競馬場を夜のエンターテインメント施設に変えていってもらいたい」

9月3日に開かれた、メガイルミネーションに関する発表会の席上。大井競馬場で競馬を主催する特別区競馬組合の斉藤弘・副管理者は、このように期待を語りました。

今回のイルミネーションは大井競馬場を保有・管理している東京都競馬と、特別区競馬組合の共同事業として開催されます。期間は10月7日から来年の3月31日まで。週末を中心に、114日間の開催を予定しています。

営業時間は平日が18時~22時、土日祝日が17時~22時。入場料は18歳以上が1,800円、小・中・高校生が1,000円となっています。メイン会場となるのは、競走馬が走るコースの内側にある内馬場。6万平方メートルのうち、3分の2を使ってイベントを開催します。

日本一の夜景マスターが演出

総合プロデューサーを務めるのは、夜景評論家の丸々もとおさん。東京ドイツ村やハウステンボスなどのイルミネーションプロデューサーとしても知られる、日本随一の夜景マスターです。

2年の歳月をかけて準備したというメガイルミネーションのコンセプトは「超体感型イルミネーション」。これまでのイルミネーションが見て楽しむ「鑑賞型」だったのに対し、大井競馬場では触れて楽しむことができ、自分がどこにいるのかわからなくなる感覚を味わえるといいます。

「馬の走る姿を眺めていると、忘れかけていた生命力を蘇らせてくれます。競馬場ならではのこの力をイルミネーションでも体感してもらおう。そして、東京ならではの文化・歴史と融合させることで、見るだけでなく、元気になって帰ってもらえるイルミネーションを目指しました」(丸々さん)

これまでのイルミネーションとは一線を画すという体感型イルミネーションとは、いったいどんなものなのでしょうか。

最新技術で東京の夜景と一体化

メガイルミネーションには2つのゲートから入場することができます。このうち、オススメなのはセンターゲート(正門入口)です。

レインボーカラーに彩られたアーケードを抜けて場内に入ると、「TOKYO TWINKLE MAP」というアトラクションにたどり着きます。天井には東京の星空をイメージした照明を配置。足元には、東京23区の夜景が全面に広がります。


東京の夜景と一体になれる「TOKYO TWINKLE MAP」(c)TOKYO MEGA ILLUMI

この夜景には最新のフロアインタラクティブ技術が導入されています。たとえば、東京タワーのある場所に触れると、東京タワーの映像が浮かび上がってくるなどの仕掛けが施されています。入場早々から体感型のアトラクションが待ち受けているわけです。

エントランスゾーンから馬場下をくぐるトンネルを抜けると、内馬場の本会場「タイムトラベルゾーン」に到着します。このゾーンでは、江戸時代から現代へと時間旅行をする感覚で、さまざまなイルミネーションを体感することができます。

江戸時代を表現した3つのエリアの中には、農村風景をイルミネーションで再現した「THE GENFUKEI」があります。丸々さんによると、田んぼをイルミネーションで再現したのは日本初の試みとのこと。


江戸時代の農村風景を再現した「THE GENFUKEI」(c)TOKYO MEGA ILLUMI

田んぼに無数の苗が植わっていて、その間を川が流れている様子を照明で表現。エリアの奥には太鼓橋や馬小屋、水車小屋などがあり、馬小屋では影絵を使った物語を楽しめます。また、貸衣装が用意されており、江戸時代の住人として暮らしている風景を撮影できます。

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