はじめに

金利以外にも考えなければいけない費用

ここまでは金利に注目してきましたが、実際に借り換えを行うとなると銀行などに支払う手数料が必要になります。実際に、どれくらい必要になるのか見ていきましょう。

《りそな銀行の場合》

  • 融資手数料・・・648,000円(保証料の代わりとなります。繰上返済しても戻りません)
  • 保証会社手数料・・・32,400円
  • 印紙代・・・20,200円
  • 登記費用・・・およそ170,000円
  • 一括繰り上げ返済手数料・・・数万円(現在借り入れをしている銀行に支払う手数料)

合計で約90万円もの借り換え費用がかかることがわかりました。そんな大金、今すぐには用意できないという方もご安心ください。住宅ローン借り換えの場合は、借り換え諸費用も一緒に融資してもらえることがほとんどなのです。

諸費用を支払っても借り換えはお得なのか

10年固定金利で借り換えをすると、Aさんの10年間のお得額は約90万円でした。この場合、諸費用約90万円を支払うと、借り換えをする意味がないようです。本当にそうなのでしょうか。

仮に、現在の変動金利1%が今後30年間続くとします。この場合、Aさんの30年間のローン支払総額は約3556万円となります。もし諸費用も含めて借り入れを行い、10年後の変動金利が現在と同条件(金利1%)であった場合にはローン支払額は約3,504万円になります。諸費用の借り入れ分を含めても、約52万円も返済額が減る計算です。

次に金利が変動した場合を考えてみましょう。変動金利で借り入れをしていると、金利上昇リスクがあります。もし今から5年後に変動金利が2%まで上昇してしまうと、どうなるのでしょうか。変動金利のままだと30年間の支払額はなんと約3926万円、金利が1%のままだった場合と比べて約370万円も支払額が増えてしまいます。10年固定金利にすることで支払額は約3742万円、借り換えをしない場合と比べると、約184万円も支払額をおさえることができるのです。

11年目以降の金利はどうなる?

10年固定金利を選択した場合、11年目以降は基本的に変動金利が適用されることになります。銀行によっては優遇金利を適用してくれますので事前に確認するといいと思います。数千円程度の手数料を支払えば、固定金利を選択できる銀行もあります(金利は10年後の金利が適用されます)。

アメリカでも利上げが検討されていますし、近いうちに日本でも金利の引き上げがあるのでは、と言われています。もし日本でマイナス金利政策が終わり利上げが行われると、大打撃を受けるのは変動金利で借り入れを行っている人たちです。

超低金利の10年固定で借り換えを行い、余った資金を貯めて10年後の一括返済を狙うもよし。超低金利の今、多少の出費を伴ってでも全期間固定金利への変更をするもよし。これからの時代はお金のリスク管理を自分たちで行っていかなければなりません。この機会に住宅ローンの見直しをしてみるのはいかがでしょうか。

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