はじめに

残暑でもさっぱり食べられる「レモンジンジャーケーキ」

今夏に新発売されたレモンジンジャーケーキの製造過程ものぞくことができました。

皮を剥いたレモンの中綿を取り除き、ミンチ状にして、ジュースを作っているところです。レモンの香りが一面に広がります。ケーキの表面に乗せる自家製レモンピールは、生のレモンの皮を5回茹でこぼすことで、苦味を丁寧に抜いているといいます。レモンを丸ごと使い尽くします。

暑い夏でもさっぱりと食べられるように、バターよりも軽い仕上がりになる太白ごま油を、生クリームではなくココナッツクリームを使用。すっきりとした味わいに仕上げているそうです。

高知県産生姜のレモンジンジャーケーキ ¥863(税込み)

「甘酸っぱく芳醇な香りのジンジャーレモンケーキに、さわやかな酸味のクレームエペス(サワークリームの一種)とレモンピール、ピスタチオをトッピングしました。胡麻油とココナッツクリームを使用しており、すりおろした生の生姜とレモンの風味がとても爽やかなケーキです」と、セントラルキッチン生産管理部・商品開発課の本橋幸太郎さん。

手間を考えたら、むしろ“安い”?

セントラルキッチンができたのは1996年。初めてエキナカに出店することが決まった際に、自家製商品の供給体制を整えるために作られました。それまでは、成城店などのバックヤードで製造し、そこから他店へ配送していたそうです。

「自家製商品には、保存料は一切使いません。合成着色料、合成甘味料も不使用です」と本橋さん。成城石井では、このポリシーを製造当初から貫いているといいます。そのため、他社の商品に比べると賞味期限は長くなく、いかにおいしさを保った状態で店舗に届けられるか、常に模索しているといいます。

妥協しない味で提供するということも、自家製を製造する上では譲れない点です。商品は、いつ買っても、どれを買ってもすべて同じ味でなければなりません。そのため、原材料の状態を見極めて製造をしなければならず、機械では実現できない、職人にしか出せない味を追求します。

実際に工場を見学すると、有名店で腕を振るってきた職人たちを中心に、ここまで手間をかけて作っていて採算が取れるのか不安になる場面も。工場といっても、機械はほとんど使用しないため、パティスリーやブーランジェリーの裏側を見ているようでした。

店頭の商品を眺めているだけでは気づかない、“安くない”の裏側にある新たな一面を知れば、成城石井のコスパの良さを感じるのではないでしょうか。

(文:編集部 土屋舞)

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