読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は内藤忍氏がお答えします。


債券について教えてください。債券は国内のものから海外のものまで、通貨やリスクもさまざまな種類がありますが、正直な所、投資単位が大きくて分散を行うこともできないため、個人向けになんでこんな商品が売られているのだろうと思うことがあります。債券を個人が買うべきタイミング、取るべきリスクとは、どのようなものがあるのでしょうか。
(男性 30代前半 既婚・子どもなし)

内藤: まず、債券投資の位置づけですが、株式のように元本の大きな変動がなく、満期になれば発行体が破綻しない限り、元本が戻ってくる投資商品です。

したがって、資産を増やすための「攻め」の商品ではなく、むしろ「守り」の商品と捉えるべきでしょう。

次に金融環境ですが、金利が低下すると債券価格は上昇します(金利と債券価格は逆方向に動きます)。低金利下で債券を購入しても受け取ることのできる金利は低く、今後金利が上昇すれば価格が下落するリスクがあります。

金利上昇による債券価格の下落の影響は、期間の長い債券ほど大きくなりますから、低金利下で長期の債券を購入するのはあまりおすすめできません。

個人向け国債をおすすめする理由

また、“守りの投資”であるということを考えると、発行体の信用リスクはあまり取らず、信用度の高い国債を中心に投資していくべきと言えます。

上記の観点から考えると、まず国内の債券に関しては、日本国債を投資対象にすべきでしょう。中でも、金利の上昇リスクを考えると、個人向け国債(10年・変動)が最適と言えます。

この債券は満期まで10年ですが、1年経過後は手数料を払えばいつでも解約することができます。また、半年毎に適用金利を見直しますから、金利が上昇すれば将来の受け取り金利が増えることもあり得ます。

一方、外国債券に関してはあまり良い投資対象がありません。前述の通り、期間の長い債券は金利上昇リスクがありますから手を出しにくいですし、期間の短い債券は利回りが低く、利息収入があまり大きくないからです。

債権を組み入れた投資信託を活用する

債券を直接購入すると、投資単位が大きくなり、通貨分散がしにくく、売買にも手間がかかるという問題があります。代替案として、債券を組み入れた投資信託を購入する方法があります。

たとえば、先進国の債券や新興国の債券のインデックスに連動するファンドであれば、1,000円から購入できるものもあります。複数の債券が組み入れられていますから、通貨や債券の期間の分散が可能です。

ただし、ファンドを通じて債券投資をしても、金利上昇によって価格が下落することには変わりありません。金利上昇リスクを取りたくないというのであれば、期間の短い債券やそれを組み入れた短期債券のファンドなどを利用すると良いでしょう。

債券は守りの投資ですから、無理にリスクを取って投資する必要はありません。