東京の玄関口の1つであるJR東京駅。その目の前に建つJPタワー内の商業施設に9月13日、新しい店舗がオープンします。

店舗名は「豊岡鞄 KITTE丸の内店」。兵庫県の北部に位置する豊岡市の地域ブランド「豊岡鞄」にとって、初めて出店する旗艦店となります。

実は、豊岡市はカバンの生産量で日本一を誇る、国内随一のカバンどころ。この店舗から、どんな展開を描いているのでしょうか。オープン2日前に開かれた記念イベントの様子から、豊岡鞄の戦略をひも解いてみます。


素材やテイストはあえてバラバラ

KITTEの1階、東京駅側から入って少し左手に歩いた場所に、そのお店はありました。白と黒のモノトーンで統一された店内に、色とりどりのカバンが陳列されています。

この店舗を運営するのは、豊岡市内に拠点を構えるカバンメーカー16社が設立した合同会社「豊岡K-site」。メンズからウィメンズ、旅行用カバン、革小物まで、各社が持ち寄った自慢の逸品が多彩に展開されています。

9月11日に開かれた内覧会のために上京していた経営者の1人に、豊岡鞄には何か共通する特徴があるのか尋ねてみると、「そんなものはありません」と職人らしい素っ気ない答えが返ってきました。

ターゲットや材質、テイストはバラバラ。それでも、あえて共通する部分を探すとすると、長い歴史の中で培われた「確かな技術」が豊岡鞄の構成要素なのかもしれません。

平均価格帯は2万5000円前後

たとえば、アートフィアーというメーカーが作るレザーバッグ(税込み3万8,000円)。素材や仕様を削って実現しがちな軽量化を、余分な水分・油分を極限まで気化させることで素材を軽くすると同時に、胴部分にパンチングという加工を施すことで、デザイン性の向上と軽量化を両立させています。


アートフィアーのTRV0702 は軽量性とデザイン性を両立

また、エンドー鞄の節(fushi)シリーズのトートバッグ(税込み1万9,440円)は、節を作るように1枚の帆布を折りたたむことで生まれた、独特のボリューム感が特徴。前出の経営者は「見た目ばかりの輸入品とは品質が違います」と胸を張ります。


節(fushi)シリーズのトートバッグは節を作るように折りたたまれたボリューム感が特徴

店舗で取り扱う商品の平均的な価格帯は2万5,000円前後。1つ1つの製品に、どこの会社で作られたのかがわかるように製造番号などが記載されており、安心して長く使ってもらうため、カバンの修理要望やクレームについては最善の対応を約束しています。