生活

都内でも家が売れない!“赤字相続”の悲惨すぎる実態

不動産相続の怖い話・第1回

何はなくともまずは「境界」

このケースについて、不動産コンサルタントで自身でも不動産会社を経営する高橋正典さんに話を聞きました。

高橋:実家に近隣トラブルがある場合、子はそのイザコザも含めて相続することになります。親が「トラブルはない」と言っていても隣人はずっと根に持っていたなど、当事者が変わることで出てくる話もあります。


このようなトラブルを減らせるよう、“境界の確認” だけでも親が元気なうちに行っておくことをお勧めします。一番簡単なのは「境界標」の有無を確認することです。


境界標がきちんと置かれていれば、境界の所在が第三者の目にも明らかになりますので、もめ事になる可能性は少なくなります。実家敷地の角に明瞭なものがあるかどうか、目で見て確認してみましょう。


また、どうしても物件が売れない場合には、空き家の所有者と利用希望者をマッチングするサービス「空き家バンク」を活用する手もあります。地域によっては行政が同様の支援をしている場合もありますので、問い合わせてみてはいかがでしょうか。

 境界標の一例、この境界標では印が示す角から2方向に境界があることを示している

首都圏で売れ残った中古は6万件弱

笠間さんは実家が再度、特定空家に指定されることがないよう、定期的な換気や清掃などの保全管理を不動産業者に依頼しているそうです。年間で約30万円にもなり、売却のメドが立たない中で大きな負担となっています。

「東京で不動産が売れないとは思いませんでしたよ」と笠間さん。隣接するAさんとの話し合いは、未だ平行線のままだそうです。解決には時間がかかりそうなため、空き家バンクの利用も検討したいと話していました。

前出の高橋さんによると、2017年に首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の中古不動産市場において売れ残った物件は全中古物件の19.8%、5万8,370件にも上るそうです。地方のことと思われがちな空き家問題ですが、少子高齢化に伴い、首都圏も例外ではなくなってきています。

とはいえ、相続となるとなかなか切り出しにくいもの。そんな時は実家の周囲を散歩がてら、境界標の有無を親と一緒に確認してみてはいかがでしょうか。

(文:編集部 瀧六花子)

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