はじめに

「日本で最初にプラチナカードを提供してから、今年で25周年。この機会に、新しいプラチナカードを披露できることを幸いに思います」。アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(アメックス)の日本社長・清原正治氏は、10月2日に開かれたメディア説明会で、このように切り出しました。

この日に発表されたのは、同社が同月15日から発行を開始する、新しいプラチナカード。2017年に本社のある米国でローンチした新カードに込めたメッセージは、「現代の本当の豊かさとは、限られた時間を“より一層”豊かにできるような体験を得ること」(清原社長)だといいます。

いったい、どんな特徴を備えているのでしょうか。そして、このタイミングで新カードを投入したアメックスの狙いはどこにあるのでしょうか。説明会でのやり取りからひも解いてみます。


メタルカードで地下鉄にも乗車可能

新しくなったプラチナカードには、いくつかの特徴があります。誰でも一目でわかるのは、カードの材質が変わった点です。

従来のプラチナカードはプラスチック製でしたが、今回の刷新で金属製に変更。しっかりとした手触り感に、「真のプラチナカードはこれだけ、という思い」(清原社長)を込めたといいます。

アメックスでは、これまでも最上位カードのセンチュリオンでは金属製カードを採用してきました。それを今回、プラチナカードにも拡大。商標も取得しているプラチナカードの存在感をより一層高める狙いがあります。

機能面でも進化しています。コンタクトレス決済の国際規格を完全準拠しており、たとえばロンドンの地下鉄であれば、現地で乗車券を買うことなく、プラチナカードを改札にかざすだけで通れる仕組みです。

年会費は13万円(税抜き)で、家族カードは4枚まで無料発行が可能。こちらはメタルカードではなく、通常のプラスチック製のカードになりますが、無料で4枚も発行するのは「ほとんど例がありません」(同)。子供が小さいうちは両親がメタルカードを使い、子供が成人してからメタルカードを与えるなど、ライフスタイルに合わせた使い分けが可能だといいます。

空港やホテルで独自サービスが多数

付帯サービスもプラチナの名に違わぬ、ハイグレードな内容です。ラグジュアリーカードの売りの1つである空港ラウンジでは、一般的なラウンジに加えて、アメックスが独自に運営する「センチュリオン・ラウンジ」の利用が可能。本会員、家族会員に加えて、それぞれの同伴者にも適用されるという充実ぶりです。

センチュリオン・ラウンジは現在、米国を中心に9ヵ所の空港に開設されています。内部には、リラクゼーションスペースやキッズスペースを併設。ネイルサロンやスパも標準装備されています。


センチュリオン・ラウンジでは通常の空港ラウンジよりも充実したサービスを提供

ホテルに関しては、アメックスが世界中で厳選した1,000ヵ所以上の最高級ホテルで、プラチナ会員のための独占プログラムが提供されます。一例を挙げると、申し出れば16時までのレイトチェックアウトが完全保証されたり、ルームサービスなどに利用できる100ドル分のホテルクレジットが付いてきたり、といった格好です。

同社が2016年に米国で調査をしたところ、このサービスを受けて2泊した場合、「約6万円分の価値が見いだせました」と清原社長は説明します。


会員専用プログラム「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」では、複数の会員特典が用意されている

ほかにも、高級ホテルチェーンには独自の会員制度が存在しますが、アメックスのプラチナカードを保有していれば、宿泊数などが各ホテルチェーンの会員基準を満たしていなくても、各チェーンの上級会員資格が無条件で付与されます。

さらに、プラチナカードを1年以上保有し、更新時に年会費を払った会員には、年に1回、国内ホテルの1泊2人分の無料宿泊券がプレゼントされます。頻繁に国内外に旅行に出かける人にとっては、メリットが大きいといえそうです。

もちろん、旅行にあまり出かけないという人にもメリットはあります。レストランに関しては、予約が困難な人気レストラン約50店をカード会員向けに完全に貸し切りにするイベントを開催。国内の有名レストラン200店に2人以上で予約すると、1人分のコース料金が無料になるサービスも提供されます。

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