はじめに

日経平均が年初来高値を更新しています。この原稿を書いている時点で株価は19,000円台に突入。このままの状況でいけば最高値のままで大納会を迎えるかもしれません。今年前半は停滞・下落の様相をしめしていた日経平均ですが、ポケモノミクスやトランプショックで持ち直し、昨年の最高値である20,868円を視野に入れるところまで上昇してきました。もしこの壁を突破して、来年、25,000円近辺まで株価が到達すれば、株価バブルが再来する可能性が出てきました。1989年以来長きにわたって株式市場を呪縛していたバブル天井の呪いを断ちきることができるのか?来年の株価を展望してみましょう。


日経平均チャートが循環相場に堕ちたバブルの傷跡

株価チャートというものは超長期で眺めておくことが大切です。株式市場の平均株価というものは本来、超長期では右肩上がりで上がっていくものです。日経平均も1989年のバブル崩壊までは、超長期で見ても右肩上がりのグラフが続いていました。

ところがバブル崩壊以降、この動きが逆転します。1990年から日経平均は循環しながら徐々に右肩下がりの下落傾向を示します。2000年にネットバブルが崩壊して2003年にソニーショックが起きた頃が日経平均の長期下落傾向の最初の底値でした。

そこから持ち直した株価がこんどはリーマンショックでふたたび底値まで下落。日経平均はそのまま底辺をさまよい、2011年の日経平均の終値は8,455円というレベルでした。

その翌年末に政権交代が起き、現在のアベノミクス相場が始まるのですが、昨年夏のチャイナショックで世界経済が息切れしたことと、日銀の黒田バズーカに限界が見えてきたことで今年の夏頃までは日経平均はさえない展開を続けていました。

それが急激に反転したのが今年の夏。記憶に新しいポケモンGOあたりから状況が変わります。

アベノミクス失速にもかかわらず循環相場終了の予感が

それまでのアベノミクス相場は金融緩和と円安誘導で株価を上げてきたのが、為替相場が逆転して1ドル=100円近辺が定着したことで株価が低調になっていた当時、新しい嬉しいニュースがポケモンGOでした。

何しろ日本企業の低迷を象徴する銘柄だった任天堂が復活をみせたことと、ポケモンGOのおかげで日本人がどんどん外出するようになり、経済波及効果も大きいというポケモノミクス効果が喧伝されたことが大きかったわけです。

そこに11月、トランプショックが起きます。トランプが大統領になったこと自体がショックではあったのですが、それによって超円高が起きると思っていたら相場が逆に動き、円安に戻ったことが日経平均にとっては二重のショック。結果として輸出に頼るメーカーの株価も元に戻って行きました。

こうして日経平均は再び20,000円の壁を視野にいれるところまで戻してきたのですが、ここから先の未来のシナリオは2つに分かれる可能性があります。

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