お金がいくらか貯まったので何か資産運用でも、と考えている方は、多分「リスク」について聞いたことがあると思います。

「リスクを考えながら運用しなさい」とか、「リスク管理が重要ですよ」とか。しかし「リスク」と言われてとてもよく理解できる、という方は案外少ないのではありませんか?


「リスク」をひと言で言うと?

私は「リスクってひと言で言って何ですか?」と聞かれたら、「どうなるか分からないこと」だと答えることにしています。もちろんこれだけ聞いてもピンと来ないと思います。どうなるか分からないこと、というのは具体的にどういうことでしょうか。

逆に言うと、どうなるか確実に先が見えているならばリスクはゼロです。投資する際に「リスクがある」と聞くと、脳が反射的に「損する」と翻訳してしまう人も多いと思うのですが、「確実に損をする」と分かっているならば、リスクはゼロなんです。損をする、と分かっている話に手を出す人はいません。だから、確実に分かっていれば、全然危なくないんです。

ところで「リスク」という言葉は、投資や資産運用に限らず日常的に使うこともありますね。「リスクを冒す」や、「リスクを避ける」という言い方、しませんか?それは多分「危険を冒す」、また「危ないことはしない」という意味で言っていると思います。ですから「リスク」=「危険」、投資行動に当てはめると「損する」という発想になってしまうのでしょう。

しかし投資について語る時、「リスク」のニュアンスは少し違います。「リスクをとる」という表現はどうでしょう。または「リスクがある」「リスクが高い」といった言い方。これらは「危ないこと」というだけではない何かを含んでいます。では「リスクをとる」と、何が起こるんでしょうか。

日々の生活の中でもとっている「リスク」

たとえば、あなたはこれから仕事先へ出かけようとしているとしましょう。電車を使えば1時間かかります。しかし車を使うと、道が混まなければ45分で着きます。電車が大幅に遅れることは滅多にありませんが、道路はしばしば渋滞します。さて、あなたはどちらを選ぶでしょうか。

電車で行く方が確実ですね。少し早めに出ればいいだけです。ところが準備に時間がかかって結構ぎりぎりになってしまいました。車ならば余裕で間に合います。但し、今の時間帯は場合によっては渋滞に巻き込まれるかもしれません。そうなると、1時間では済まない可能性もあります。

渋滞の「リスク」はあるけれど、ここはその「リスクをとって」車で行くことにしようと決めました。電車ならば確実に1時間ですけれど、車は上手く行けば45分。ただ、運が悪いと電車よりも長くかかってしまう可能性があります。リスクをとったために何が起こったかというと、結果がより不確実になったわけです。予想される結果の幅が広がった、という言い方もできます。