はじめに

発育期の子どもがいる家庭は対象になりやすい!?

子どもがいる家庭では、なにかと病院に行く機会が多く、医療費もかかりそうです。しかし自治体にもよりますが、子どもの医療費は健康保険の自己負担分を助成してくれる「子ども医療費助成制度」により、実質自己負担額がゼロになる場合も多いもの。いくら家族の医療費を合計できるといっても、実質自己負担額がゼロでは10万円超過のための計算には含めることができません。

ところが歯科や眼科では、子どもだからこそ対象になることもあるのです。発育段階にある子どもの成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯科矯正のように、歯科矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて、歯科矯正が必要と認められる場合は医療費控除の対象になります。

視力も同じです。通常、視力矯正のための眼鏡代は医療費控除の対象にはなりませんが、幼児の未発達視力を向上させるために装着を要する眼鏡など、治療のために必要と医師の指示で装用するものは医療費控除の対象となるのです。

レーシック手術は控除の対象になる

子どもと違って大人の場合は、近視や遠視などのために眼鏡を購入しても日常生活の必要性に基づくもので、視力を回復させる治療の対価ではないため医療費控除の対象にはなりません。

ただ近年、視力回復を目的としてレーシック手術(視力回復レーザー手術)を受ける人も増えてきましたね。角膜にレーザーを照射して近視や乱視などを治療し、視力を矯正するレーシック手術。この手術は、眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるものなので医療費控除の対象になるのです。

また、近視など角膜の屈折異常に対し、特殊なコンタクトレンズを装用し屈折率を正常化させることで視力を回復させるオルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)も対象です。

医療技術の発展とともに、大人になって視力回復のための治療をする人も多くなっています。医療費控除が適用されるとわかれば、高額な医療費も安心して出せるようになるかもしれませんね。

病院で支払った医療費以外にも、医療費控除の範囲は意外と広いことがおわかりいただけたでしょうか。医療費控除は過去5年間まで遡って申告が可能なので、いままで知らずに申告していなかったという人も税金を還付してもらえる可能性がありますよ。

ただし、医療費控除を受けるためには確定申告の際に領収書やレシートなど、支払いを証明する書類の提出が必要です。今後のためにもレシートはきちんと保管する癖をつけましょう。

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