はじめに
家は大きな買い物。「どんな基準で選んでいいのか分からない」という人は少なくないでしょう。
「人生100年時代」といわれる中で、一生自分で住むのではなく、住み替えを前提に資産性のある家を選ぶという考え方も浸透してきています。今買うべき家とは、一体どんな家なのでしょうか。
家選びのコツを、「独身こそ自宅マンションを買いなさい」「マンションは学区で選びなさい」の著者で、不動産情報サイト「住まいサーフィン」を運営するスタイルアクト代表取締役の沖有人さんに5回にわたって伺います。
1回目は「独身がマンション買うなら、どんな条件で選ぶべきか」です。
「23歳」「フルローン」でマンションを買ってもいい
住宅購入を考えるきっかけとして思い浮かぶのは、結婚した、子どもが生まれたなど、人生の節目。でも、この十数年で独身の30〜40代がマンションを買うというケースも増えてきています。
「これまではライフステージの変化に合わせて買うという流れでしたが、今後は『自分が買いたいタイミング』で買う時代」と、沖さん。「新卒で就職した22〜23歳でも、年収が400万円以上あればマンション購入を考えてもいい」と話します。
「この年齢であれば、頭金なしでフルローンで購入しても大丈夫。ローンが返せないことを心配する人もいるでしょうが、そもそも銀行は返せないローンは組みません。年間のローン返済額が年収の25%以下であれば、延滞する人はほとんどいないということがデータ上でも分かっています」(沖さん)。
まずは単身者用のマンションを買い、家族が増えて手狭になったら買い換えるというパターンも、今後は広がっていくかもしれません。
ランキングで見る「単身者にオススメのマンション」
住み替えを前提に買うのであれば、資産性はより重要になってくるというもの。一体どのように「いい物件」を見極めたらいいのでしょうか。
ここで見ておきたいのが、下記のランキング。住まいサーフィンが公表している、単身者向けの資産性が高い新築マンションの最新版です。
*「-家活-沖式儲かる確率上位物件ランキング」2018年10月公表版より。このランキングは首都圏で2018年9月20日時点で販売もしくは販売予定を同社が確認できた物件を対象としている。
*「家活」とは、“独身の人が自宅マンションを購入すること”とスタイルアクトが称し、家活経験者のライフスタイルやお金の情報や調査結果を2018年10月から専門サイトで公開している。
このランキングは駅近(最寄り駅から4分以内)で、都心からのアクセスが良いエリア、さらに単身者に人気の高い1LDKなどのコンパクトな間取りの物件を対象に、「過去の物件の含み益が出た割合を立地や総戸数、価格帯などのカテゴリーごとに算出。その物件が属するカテゴリー別の数値を平均して割り出したもの」(沖さん)。
この沖さん独自の計算で儲かる確率が高いと出た物件は、実際に中古になってから値上がりしているそうです。
ランキングの1位はJR上野駅から徒歩4分という好立地。単身者向けに、33~40平米ほどの1LDKの物件を多くそろえています。「ランキングには入っていませんが、浜町駅は単身者向けマンションの『鉄板』。証券会社が多い兜町も徒歩圏で、賃貸に出しても借り手がつきやすい場所です」と沖さんは話します。
ただ、ランキングは月によって入れ替わりますし、戸数が多くないものは目をつけた時点で売り切れるという可能性も。このランキングから見える「単身者向けマンション購入時の注意点」はあるのでしょうか。