はじめに

「急速凍結」で味も栄養もそのまま

「保存料が要らないことは分かった。でも冷凍食品で栄養は摂れないでしょ?」というご意見をいただくことがありますが、これも大きな誤解。栄養価は変わりません。むしろ、栄養をよく保っている食品が冷凍食品なのです。

なぜ、栄養価を保つことができるのか? それは冷凍食品と称することができる『条件』のひとつ、「急速凍結」の技術による恩恵なのです。文字通り早く凍らせることが「急速凍結」。その対義語が「緩慢凍結」です。

グラフを見てください。

一般社団法人日本冷凍食品協会発行「冷凍食品Q&A」より

縦軸が温度、横軸が時間の経過です。「急速凍結」のラインは食品が『凍る』時間帯を早いスピードで通過していきます。一方「緩慢凍結」の場合、これは例えば家庭の冷凍庫のホームフリージングを思い浮かべてください。『凍る』温度帯の通過時間が長くなります。

この違いで食品の中でどんなことが起こるかというと、食品組織の中の水分が氷になるときの結晶の大きさが違ってきます。つまり、「急速凍結」では食品中の水分が細かな氷の結晶になり、「緩慢凍結」では大きな氷の結晶になるわけです。細かな結晶は、食品の組織を壊さないですが、大きな結晶は壊してしまいます。

つまり、急速凍結は、組織を壊さない=味や栄養が変わらない。これに対して、緩慢凍結は、組織を壊す=味や栄養が変化する、という違いがあります。

例えば、旬の時期の冬場に1年分の販売量を製造する冷凍野菜のほうれん草の事例では、ビタミンC量は1年中安定しています。一方生鮮品のほうれん草は、旬の冬の時期と夏場の路地生産のものと比較すると、ビタミンC量は極端な差がありますので、夏は冷凍ほうれん草の方がビタミンCを多く摂れるということになります。もちろん価格も安定していますから、『冷凍の方がお得』という現象が起きます。

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