読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は横山光昭氏がお答えします。

夫の定年まであと10年ほどとなりました。子供がまだ小さいので、安定した収入があるうちに安心して暮らせる居住環境を作っておきたいと思っています。再雇用で働くなど、定年退職後の暮らし方についてはまだ考えていないのですが、退職後もローンを抱えているのは不安なので、できれば定年前に住宅ローンを完済したいと思っています。今のところ貯蓄が3000万円ほどあり、夫の退職金も1600万円ほどもらえる見込みです。ただ、現在第2子の不妊治療中でもあるので、貯蓄を全額マイホームの購入に使ってしまうのは少々心配です。ですから、2500万円を頭金にし、1500万円ほどの住宅ローンを組み、10年で返済をするプランでいきたいのですが、将来的な見通しとして大丈夫でしょうか。


〈相談者プロフィール〉
・女性、40歳、既婚(夫:51歳)、子供1人(2歳)
・職業:専業主婦
・手取り世帯月収:56.6万円
・手取り年間ボーナス:80万円
・貯蓄額:約3,000万円
※夫の勤務先には役職定年制度なし


【支出の内訳(53万円)】
・住居費:18.5万円
・食費:6.2万円
・水道光熱費:2.8万円
・通信費:1.5万円(格安スマホを使用)
・生命保険料:3.9万円
・日用品代:1万円
・医療費:3.2万円
・被服費:3.2万円
・その他:12.7万円


横山: ご相談ありがとうございます。相談者さんご夫婦は年齢差があるご夫婦なので、老後の生活などを計画するにあたり、少々注意が必要になりそうです。住宅購入の仕方などを中心に見てきましょう。

年の差婚夫婦の老後は通常より長い?

ご主人が先に年金暮らしに入り、その10年後に相談者さんが老後生活に入るので、年の近いご夫婦よりも相談者さんご自身の老後生活期間は長くなります。ということは、老後資金もそれを見据えて準備をしなくてはいけません。今は子育て期間ということもあり、生活費が多めにかかってしまうのは仕方がないのかもしれませんが、老後を見据えて考えると、少し支出が多めではないかと思います。

現状では、男性一人分の厚生年金の受給額は月16万円ほどが平均的です。そのほか、ご主人が条件などを満たしていれば、相談者さんが65歳になるまでは年額40万円弱の加給年金が受け取れますし、お子さんが18歳未満であれば年額20万円ほどの加給年金がもらえます。それでも、月の生活費にすると21万円程度の収入です。

相談者さんが65歳になると、これら加給年金はなくなり、相談者さん自身の国民年金が受給できるようになります。それでも、ご夫婦の年金収入は21~22万円程度。どちらにしても、年金だけでは暮らしていくことは難しいと思います。

では、毎月いくら補填すると暮らしていけるのか。そこが必要な老後資金を計算するポイントとなります。そして、このまま相談者さんが専業主婦で暮らし、100歳まで生きたとすると、老後という期間は45年にも及びます。ずっと二人分の生活費が必要なわけではないと思いますが、たとえば単純に毎月5万円の不足を補っていくと考えると、それだけで2700万円が必要です。ほかに、医療費や介護費などの資金も考えておかねばなりません。今の預貯金では足りないですし、毎月の生活費も縮小しなければ、もっとたくさんの資金が必要になるでしょう。

老後資金の前に教育費の準備も忘れずに

先ほどは老後だけに目を向けてお話ししましたが、相談者さんご夫婦にとって忘れてはいけないのが、教育資金です。今2歳の息子さんは、ご主人の定年時には12歳~13歳。そのあとから、教育費、進学費用が必要になります。もし、もう一人お子さんを授かれば、さらに必要になります。お子さんを増やすなという話ではありませんが、老後資金も必要な中、これらを準備するのは大変です。

稼ぎだせる金額というのはある程度限られてしまいますし、優先順位をつけながら必要資金をコントロールしていく必要があると思います。かわいいお子さんですが、塾などは要不要を見分け、教育費のかけすぎにも注意しなければならないことを肝に銘じておくべきでしょう。